深セン証券取引所創業板への上場を目指している、自動車用ナイロンチューブなどを生産する江陰標榜汽車部件股フェン(標榜股フェン、301181/深セン)が9日に公募を開始する。2250万株を発行予定で、公募価格は7日に決定する。公募終了後速やかに上場する見込みだ。

 同社は2009年設立の民間企業。自動車の動力系統、冷却系統の配管用ナイロンチューブおよび接続部品の開発、生産、販売を手がけている。製品はフォルクスワーゲン、アウディ、フェード、プジョーなどの著名ブランドの多くの車種に採用されているほか、中国国内の自動車メーカー、部品メーカーとも安定的な提携関係を持つ。売上構成は動力系統用チューブが7割程度、接続部品が2割程度、冷却系統チューブは3%前後となっている。

 世界の自動車販売状況は2018年の9564万台をピークとして減少傾向にあり、特に2020年は新型コロナの影響により7797万台と大きく減少した。世界全体の3割前後を占める中国の自動車販売も2017年がピークとなっているが、2020年は新型コロナの影響からいち早く脱したことで前年比で大きな減少とはならなかった。また、温室効果ガス削減に向けた世界的な取り組み強化に伴い化石燃料車から電気自動車などの新エネルギー車への置き換えが世界的に加速しつつあり、自動車部品を取り巻く環境に大きな変化が生まれている。

 環境保護の取り組みが進む中で車体の軽量化も自動車業界のトレンドとなっており、安全性、強度を保ちながら軽量化を実現する素材としてプラスチックの応用範囲が広がり、従来の金属部品からの置き換えが進む。また、中国企業による自動車部品の技術力、品質の急速な向上に伴い、同社が扱うナイロンチューブを含めて輸入品から国産品へのシフトも中国の自動車業界で進んでおり、同社にとっては追い風だ。

 一方で、同社は競争相手に比べて経営規模が小さく、生産能力の強化が顧客の需要増に追いついていない、顧客がフォルクスワーゲン系に集中している、新エネルギー車向け部品の売上比率が非常に小さいというボトルネックを抱えており、新たな顧客の開拓、技術力を生かした新エネルギー車向けの部品開発強化が今後の大きな課題だ。

 2020年12月期の売上高は6億3219万元(前期比12.35%増)、純利益は1億2415万元(同34.74%増)。2021年1〜9月期の売上高は3億5122万元(前年同期比21.22%減)、純利益は8513万元(同14.59%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)