深セン証券取引所創業板への上場を目指している、ワクチン企業の華蘭生物疫苗股フェン(華蘭疫苗、301207/深セン)は2月8日に公募を開始する。4001万株を発行予定で、公募価格は2月7日に決定する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2005年創設の民間企業。ヒト用ワクチンの研究開発、生産、販売を行なっており、これまでにインフルエンザウイルスプリットワクチン、4価インフルエンザスプリットワクチン、A/H1N1型インフルエンザスプリットワクチン、組み換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)、ACYW135髄膜炎菌多糖結合型ワクチン、A群C群脳膜炎菌多糖ワクチンなどを発売しているほか、新型コロナウイルス不活化ワクチン(vero細胞)、フリーズドライ鼻噴霧型組み換え新型コロナ弱毒化生ウイルスワクチンの前臨床研究を進めている。売上の構成比はインフルエンザワクチンが全体の90%以上を占めている。

 2014年には200億元ほどだった中国のワクチン市場規模は2020年には515億元にまで増加、特に2018年からは年20%を超えるペースで成長している。中でもインフルエンザワクチンは新型コロナの感染拡大に伴う感染症予防意識の高まりにより、2020年のロットリリース量が前年比87.29%増の5765万剤に達したが、それでも人口14億人に対する接種率は4%程度に留まっていることから、今後もさらに需要が大きく増える見込みがある。同社は2020年のインフルエンザワクチン国内シェア約40%、4価インフルエンザスプリットワクチンの国内シェア約61%でいずれも業界トップだ。

 一方で、インフルエンザワクチンへの業績の依存度が非常に高いことが経営上のボトルネックとなっている。また、2018年には100%だった4価インフルエンザスプリットワクチンのシェアが、他社の開発成功により年々縮小しており、今後のさらなる競争激化で売上や利益率が低下する可能性がある。主力製品の強みを活かしつつ、新型コロナを含む新たなワクチン開発で成果を出し、新たな優位性を獲得することが、同社がさらに成長する上での課題と言えそうだ。

 2020年12月期の売上高は24億2632万元(前期比131.30%増)、純利益は9億2490万元(同146.45%増)。2021年1〜9月の売上高は13億9283万元(前年同期比25.71%増)、純利益は5億2816万元(同28.27%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)