上海証券取引所メインボードへの上場を目指している、体外診断製品卸のコウェルス・メディカル・チャイナ(合富中国、603122/上海)は2月7日より公募を行う。公募価格は4.19元で、9951万株を発行予定。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2000年設立の中国企業と外資の合弁企業。医療流通分野の卸売業者で、国内外1000あまりのメーカーの体外診断試薬および消耗品約1万7000点を取り扱っており、中国本土の大病院をはじめ、中華圏の医療機関に卸している。また、放射線治療などの先進機器の販売代理業務も手がけており、アキュレイ、ティアサイエンス、ビューレイといったメーカーと提携している。同社が扱う体外診断製品は免疫診断、生化学診断、臨床検査、即時検査、分子診断、病理学、微生物検査、血液源安全モニタリングなどの分野に及び、体外診断製品の売上が全体の9割前後を占める。

 体外診断は現代の検査医学における重要な意思決定情報獲得手段であり、疾病の予防、診断、治療においてますます不可欠な存在となっている。また、検査、初歩診断、診断確定、治療方法決定、治療モニタリング、治癒確認と臨床現場の全プロセスにおいて体外診断が活用されており、需要は旺盛だ。世界の体外診断市場規模は2013年の533億米ドルから2017年には648億ドルに達し、2020年には747億米ドルにまで増加したと予測されている。特に中国、インド、ラテンアメリカといった新興地域では市場が急速に拡大しており、中国では2015年から2018年にかけて年間18%ほどの成長を見せ、2018年には604億元に達した。また、中国の人口1人あたりの体外診断消費支出は米国や日本などの先進国に比べてはるかに低く、今後も生活水準の向上、健康志向の高まり、高齢化に伴って中国における体外診断製品市場はさらに大きく伸びるものと予測される。

 同社は体外診断製品について特定のメーカーと敢えて代理契約を結ばず、幅広いメーカーの多様な製品を扱うことにより、各病院に対して調達先の集約化を提案、推進できる点を強みとしている。また中国国内の業界先発企業としてメーカー、病院それぞれに強力なチャネルを持っている点も強みだ。一方で、特定メーカーと代理契約を結んでいる同業他社に比べて粗利率が低い点がボトルネックとなっている。さらに、中国政府は医療制度改革による医療費の削減を長期的に続けており、同社が扱う製品の価格が下落して利益が減るリスクも抱えている。

 2020年12月期の売上高は10億8902万元(前期比4.02%増)、純利益7255万元(同8.06%増)は2021年1〜9月期の売上高は8億9910万元(前年同期比18.56%増)、純利益は5375万元(前年同期比21.87%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)