中国の伝統薬である中薬製剤メーカー、山東歩長製薬(歩長製薬、603858/上海)は1日、新型コロナ治療薬として開発した中薬製剤の宣肺敗毒顆粒がカナダで「自然健康製品」として販売認可されたことを発表した。
 
 歩長製薬は1日付の公告で、全額出資子会社である咸陽歩長貿易発展有限公司がこのほど、カナダ衛生省から宣肺敗毒顆粒が同国の自然健康製品基準を満たし、自然健康製品として販売が認可されたと紹介した。
 
 宣肺敗毒顆粒は、伝統的な中薬処方である宣肺敗毒方のエキスを顆粒化したもので、中国の衛生当局は新型コロナウイルス肺炎診療ガイドラインにて「湿毒鬱肺証」と診断された中等症新型コロナ肺炎患者の治療薬として推奨している。中国政府は中国発祥の中医薬が新型コロナの感染拡大抑止、感染者の症状悪化抑止において大きな貢献を果たしたとして、「宣肺敗毒顆粒」を含めた「三薬三方」と呼ばれる6種類の中薬製剤・処方を世界的に広めようとしており、今回のカナダでも販売認可もその一環であると見られる。
 
 一方で、中薬製剤は臨床エビデンスに乏しく、化学的な成分の説明や効果の証明が難しいことから、欧米を主とする世界各国で医薬品として認可されずに健康食品、サプリメントとしてのみ流通が認められるケースが多くなっている。今回の販売認可もあくまで医薬品ではなく「自然健康製品」としてのものであり、歩長製薬も別途追加説明公告を発表し、その旨を強調した。
 
 歩長製薬は2001年設立で、2016年に上海証券取引所メインボードに上場した。2021年1〜9月期の営業収入は前年同期比1.18%増の113億7715万元、純利益は同8.73%減の12億7393万元。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)