中国では、昔の古き良き時代を表現するうえで「夜不閉戸」という言葉を使うことがある。これは「夜に戸締まりをしない」という意味で、治安の良さや安定した社会を示す言葉だと言えるが、中国メディアの騰訊は13日、今でも「夜不閉戸」が可能なのは、アジアでは日本だけだと伝える記事を掲載した。

 記事はまず、中国でも「夜不閉戸」が可能な時代があったが、それは1980年代初頭までの話だと時代の変化を伝えた。記事の中国人筆者が子どもの頃は、夏に窓や戸を開け放して寝ていても泥棒が入ったという話を聞いたことがなく、今では必須となった窓の鉄格子も、当時は売っているのを見たこともなかったそうだ。犯罪と言えば、飢えた若者が他人の畑の作物を盗むくらいが関の山で、「改革開放前は良かった」と懐かしんでいる。

 それが現代中国は街中に監視カメラを設置しなければならないほどになってしまったが、日本は今でも「夜不閉戸」が可能だと伝えた。記事の中国人筆者は、日本を旅行で訪れたことがあるそうで、日本の治安の良さを感じた3つのエピソードを紹介している。1つはカメラをどこかに置き忘れてきた時で、3日後に気付いて捜したところすぐに見つかり、落とし物の保管所から渡されたカメラは丁寧に袋に入れられて日時が書いてあり、しっかり保管されていたと振り返った。

 また、温泉宿の脱衣所に財布を置いてきてしまった時も、フロントに行ってみたところやはり届けられていたそうだ。3度目は、電車内に同行者がかばんを置いてきてしまった時で、ある日本人が気付いて返してくれたと伝えている。

 この時は、拾った人が中国人ではなく日本人で良かったと心から思ったと振り返っているが、確かに中国であれば落とし物が無事に手元に戻ってくる確率はかなり小さいだろう。記事の中国人筆者はこうした経験から、日本では「夜不閉戸」が今でも残っていることに感心するとともに、日本の治安の良さを羨んでいた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)