日本政府は、新型コロナウイルス感染拡大を機に製造業のサプライチェーンの見直しを図り、生産拠点を海外から国内回帰や第三国に移転する企業に対して補助金を支給すると呼びかけ、多くの企業が申請したと伝えられた。

 このため中国では「日本企業が続々と撤退する」とのうわさが広まったのだが、中国のQ&Aサイト・知乎にこのほど、「日本企業の中国離れをどう理解したら良いのか」と題するスレッド立てられ、意見を求めている。

 スレ主は、新型コロナの感染拡大前から日本企業の間では中国撤退の動きがあったことを指摘したうえで、現在の日本企業の中国離れの理由を尋ねている。中国市場を見限ったのか、それとも経済政策のためか、はたまたロボットの普及で中国進出の必要性がなくなったのかと質問している。

 これに対し、撤退した半導体企業があることから「日本の半導体が落ち目だということ」と答える人や、「文化の違いが一因にある」、「中国で外国製品が売れなくなった」、さらには「人件費が高騰しすぎた」との理由を挙げる人もいた。ある日系企業の工場では、給料が地元企業の倍ほど高く、休みがしっかりあって従業員を「五険一金(5つの保険と1つの積立金)」に入れていたそうだ。「これでは地元企業との競争に勝てるわけがない」と指摘していた。

 しかし、日本企業の撤退を残念そうに伝えるスレ主の感覚に疑問を抱く人もいて、「スレ主の言い方だと、まるで外資系企業が中国を救う救世主のようだ」と言われていた。「愛国者が出て行けと言っていたのだから、良いことじゃないか」と自嘲気味の人もいて、中国人自身も矛盾を感じているようだ。

 実際のところ、中国を撤退する日本企業はあまり多くないともいわれており、それだけ中国からの撤退は容易ではないということなのだろう。いずれにしても、外資の撤退は中国人の就業にも影響する問題であり、中国人のなかでも賛否を巡って揺れる気持ちがあるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)