中国は「世界の工場」として、ありとあらゆるものを生産し、世界中に輸出してきた。現在は労働集約型の製造業からの脱却に向け、中国政府は「中国製造2025」という政策のもと製造業の高度化を目指している。

 中国製造業の成長に自信を深める中国人も増えているようだが、中国メディアのZAKERはこのほど、「中国の製造業は果たして本当にドイツや日本に肉薄するほどの競争力を手にしたのか」と疑問を投げかける記事を掲載し、中国製造業の弱点について考察している。

 記事は、工業力は一国の経済的実力を体現する指標であると指摘し、中国の製造業にはまだまだ多くの弱点があるのが現状であることを指摘した。そして中国の有識者の見解として、中国製造業は「規模こそ大きいが、強さがない」というのが現状であり、中国製造業の弱点は「製品を作るために必要となる原材料や部品の大半を他国に依存している」ことにあると論じた。

 続けて、中国は「世界の工場」と呼ばれたように、ありとあらゆるものを作ることができる環境が整っていると指摘し、近年は製品の品質も向上してきていると強調する一方で、「製品を作るために必要となる原材料や部品の大半を他国に依存している」ということは「部品や原材料の供給がストップすれば、中国の工場は製品を作れなくなる」ということであり、もしそのような事態が起きれば中国製造業は深刻な打撃を受けると指摘した。

 一方、日本やドイツには企業の規模こそ大きくなくとも、世界トップのシェアを獲得している「隠れたチャンピオン」の企業が数多く存在すると指摘し、こうした企業が数多く存在する国こそ「本当の意味で製造業の競争力が高い国」であると指摘した。さらに、「隠れたチャンピオン」の企業は往々にして家族経営であるなど、中国人のイメージとは異なる経営を行っているケースが多いと紹介。そして、日独にある「隠れたチャンピオン」の企業に共通しているのは、多角化を行わず、社員を大切にし、愚直に事業に取り組んでいるという点であると指摘した。中国では「愚直」であることは往々にして「愚かなこと」というニュアンスが含まれるが、日本やドイツで成功している企業の多くは「愚直」に事業に取り組んでおり、社員を大切にするから技術の流出が向上し、技術の流出が防げるのだと強調した。

 記事は、中国の製造業が真の意味で日本やドイツの競争力に追いつくためには、「規模こそ大きいが、強さがない」という現状から脱却し、「隠れたチャンピオン」企業を育成し、「製品を作るために必要となる原材料や部品を自給自足できるようになる必要がある」と強調、そのための道のりはまだまだ遠いとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)