近年の中国では、旧日本軍の軍服をコスプレした人などが「精神的日本人」と罵られる、といったことが続いていたが、歴史問題に対する国民感情はますます敏感になっているようだ。最近も中学生の男子が悪ふざけで旧日本軍の軍帽をかぶっている写真がネットに出回り、警察に通報される騒ぎとなった。中国のQ&Aサイト・知乎にはこのほど、「旧日本軍の軍帽をかぶって炎上した中学生をどう思う?」と質問するスレッドが立てられた。

 この件に関しては、当事者が中学生だったことと、ただ帽子をかぶっていただけということで、中国人の間でも「大問題だ」と言う人と、「騒ぎ過ぎだ」という意見とで真っ二つに分かれているようだ。「この子たちはそれほど悪くないのに騒ぎ過ぎだ。もっと悪い子なら全国にいくらでもいる」とのコメントが示しているように、今の中国では国民感情を逆なですることは大罪扱いされてしまうようだ。

 ほかにも、「未成年の写真をネットに上げるべきではなかった」、「中二病だから仕方がない」など、調子に乗ってしまった当事者を擁護する人も目立った。愛国教育を強めるべきという意見もあったが、「売国奴」をネットでつるし上げるような今の流れが愛国と言えるのか疑問を持つ人もいて、「同胞の一挙手一投足に目くじらを立てて、他人に愛国を説教する前に、自分に愛国を教えたらどうか」と苦言を呈していた。

 また問題点を分析した人もいて、学校や親の愛国教育のほか「軍帽を販売したネット業者」や、「抗日ドラマ」に問題があるとの指摘もあった。中国がプロパガンダのために大量生産した抗日映ドラマが、皮肉なことに子どもたちの模倣欲を刺激しているのかもしれない。「時代錯誤の教育方法だ」と抗日ドラマの見直しを呼び掛ける人もいた。

 この中学生の一例は、中国で国民感情が過敏になっていることをよく表していると言えるだろう。またこれは、未成年にも容赦ないネット社会への問題提起ともなっているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)