古代中国・秦の時代では、始皇帝による「焚書坑儒」と呼ばれる禁書政策が行われた。その後も、中国の歴史ではその時代の政府によって様々な本が禁書となっており、現在でも禁書扱いの書籍は多く存在する。中国メディアの快資訊はこのほど、かつて中国で禁書となった本が、日本では広く普及し読まれていると紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、「西遊記」や「水滸伝」などの著名な文学作品もかつては禁書となっていた時代があると指摘した。文学作品によって思想が広まるのを警戒したからだと分析している。

 しかし、古代中国では禁書となったのに、日本では多くの人に幅広く読まれた本があるとし、それは「剪灯新話」だと紹介した。明の時代に書かれたこの小説は、人間と妖怪とのラブストーリーだが、その内容は社会の底辺で暮らす人々のラブロマンスに対する憧れを描いており、明の時代には発禁となっていたという。

 ところが、「剪灯新話」は日本へ伝わり非常に多くの人に読まれて人気となったと記事は伝えた。実際、日本の文学にも大きな影響を与えたと言われており、江戸中期の怪談集「奇異雑談集」には「剪灯新話」から翻訳された話が含まれているほか、落語の怪談噺「牡丹灯篭」は、「剪灯新話」の中の「牡丹灯記」を発展させたものだとされる。

 中国では禁書となった本が日本で広く読まれていたというのは興味深いことだ。これだけ大きな影響を与える作品だからこそ、危険と見なされて禁書となったのだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)