吉林省や遼寧省など、中国東北部を中心に深刻な電力不足が生じており、現地では経済活動のみならず、人びとの日常生活にも大きな影響が出ている。中国のネット上では「我が国は世界の工場ではなかったのか? 世界の工場が電力不足で稼働できなくなるなんて」という声が上がっているようだ。

 中国の吉林省および遼寧省の一部地域では、電力不足を理由に、住民たちに対する厳しい電力制限を実施している。1日のなかで一定の時間帯だけ停電を実施するのではなく、まるでブレーカーを完全に落とされたかのような電力制限が行われているようだ。

 中国メディアの第一財経によれば、現地では人びとの間からは「電気が停まったせいで水も止まってしまい、ご飯も作れないし、トイレも流せない」、「新型コロナの影響でオンライン授業なのに、電力制限のせいで授業も受けられない」、「家族全員、もう3日間も顔すら洗えていない」という不満の声が上がっている。

 中国ではここのところ多くの地域で電力不足に直面しており、その背景には電力需要の増大のほか、環境対策の一環としての石炭の使用制限といった要因が存在するが、第一財経によると、中国東北部で電力不足が生じているのは、これらの要因のほかに風速の低下による風力発電量の大幅な低下と、石炭価格の高騰があるという。

 石炭価格は世界的に高騰しており、中国でもすでに発電に使用する場合の損益分岐点を超え、「石炭を燃料に発電すればするほど、赤字が拡大する」状況になっている。特に中国東北部は電力供給の大半を火力発電に依存してきたがゆえに、石炭価格の上昇が直撃する形となっており、街中の「信号」すら消えるような厳しい電力制限につながったようだ。

 また、中国では東北部のみならず、経済成長を牽引してきた山東省や江蘇省、浙江省、広東省といった地域でも停電措置が取られており、現地企業の生産活動に大きな影響が出ているという。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)