漢方薬はその名のとおり、起源は中国にあるが、日本の漢方薬は世界にも広まっており、新型コロナ前には中国人旅行客にも爆買いされていたほどだ。中国メディアの網易は21日、漢方薬は中国発祥なのに、日本の漢方薬が世界に輸出されていると紹介する記事を掲載した。

 生薬を組み合わせて薬を作る、という方法を日本に伝えたのは中国だが、それを発展させてできたものが漢方薬であり、日本の漢方薬と中国の漢方薬はもはや別物と言っても過言ではない。記事の中国人筆者は、中国ではますます西洋の薬が信用されるようになり、「中医学は中国の医療従事者自身によって消滅の危機にさらされている」と中医の行く末を危惧した。ほんの数十年前までには5000人以上いた中医師が、今では3桁にまで減ってしまったそうだ。

 それに対して、日本の漢方薬はすっかり人びとの生活に定着している。記事は日本で風邪を引いて、抗生物質を求めていくつも病院を回った中国人の話を紹介している。中国では、ちょっとした風邪を引いても、小さな診療所に行けばすぐに点滴をしてくれるので、抗生物質に頼る習慣がついている。しかしこの中国人は日本の病院で抗生物質を出してもらえず、かわりに知り合いの日本人から「日本では風邪で発熱・のどの痛みがあるときはこれを飲む」と言われ、「インスタントコーヒーのような粉の入った袋」を差し出されて驚いたそうだ。顆粒に加工された日本の漢方薬は、中国人にはインスタントコーヒーのように見えるようだ。

 では、日本の漢方薬を、中国人はどう思っているのだろうか。記事の筆者は、日本人の平均寿命の長さを指摘し、これだけ長寿なのは漢方薬と関係があるのではないか、と効果のほどを信用しているようだ。実際、多くの中国人が日本で漢方薬を爆買いしていたのも、中国人にも評価されていることを示していると言えそうだ。

 記事は最後に、中国でどんどん廃れていっている漢方薬が、日本で発展して世界的に有名になっていることに感心し、「10年後は中国が日本から学ぶようになるかもしれない」と締めくくっている。中医学には先人たちの知恵が詰まっているというのに、中国で廃れていっているというのはとても残念なことだと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)