日本経営管理教育協会が見る中国 第690回 ――永野剛

 2021令和3年3月に掲載した第663回を①とし、今回はシリーズ②としている。

 先日、宮城県気仙沼市と岩手県陸前高田市を視察した。定点観測し復興の一次情報を知ることが重要だと考え、被災後から毎年実施している。今回の訪問では土木とインフラ面の復興はほぼ終わった印象を受ける。

■東日本大震災津波伝承館

 令和元年9月22日に開館した「東日本大震災津波伝承館」を訪問した。この施設のミッション・ステートメントとして、大震災で多くの尊い命が失われ、この悲しみを繰り返さないために、知恵と技術で備え、自ら行動することにより災害から命を守り、自然災害を乗り越える姿を発信している、とのことだ。館内には大津波に巻き込まれボコボコになった消防車があったり、大津波の当時の様子が各所に映像で放映されたりしていた。地元の小学生も社会科見学で訪れている様子も目に入り、10年が経ち日々東京にいると風化しつつあると感じるが、真剣な眼差しの子ども達から着実に後世に伝わっている実感があった。是非、多くの方に足を運んで頂きたいと思う。

■気仙沼の様子

 気仙沼市には大島という東北一の大きな島がある。2019年4月7日に美しいアーチ橋の気仙沼大島大橋(通称:鶴亀大橋)が開通し、いままで船でしか渡れない島に、車でも楽々とアクセスできるようになった。さらに、今年の3月6日には、三陸道の気仙沼湾横断橋(通称:かなえ大橋)が開通し、仙台から宮古まで直結の高速道路網が整備された。様々なハード面の復興は10年を区切りに整った。

 これからの復興は“人”の動きがより一層重要となる。もちろん住民が戻ることも期待されるが、少子高齢化する日本社会全体の課題だが、現地の実情を垣間見る限り難しい印象を受ける。そこで重要となるのは中国からのインバウンド観光客の復活ではないだろうか。三陸には、フカヒレ、マグロなど美味しい海の幸が豊富であり、風光明媚な景観を楽しむことが出来るスポットも数多く存在している。仙台国際空港も航空機が駐機できるピア棟も2018年10月に完成済みで、離発着の能力にも十分な余裕がある。コロナ後を見据え、私たち一人ひとりがどう持続可能な地域づくりへ関わっていくかがこれからの課題である。(写真は、2021年8月撮影 気仙沼大島大橋  筆者撮影。提供:日本経営管理教育協会)