科学技術強国を目指す中国は、海外から優秀な科学者を積極的に迎えている。日本からも多くの科学者が中国に移籍しているが、中国のQ&Aサイト・知乎にはこのほど、「日本の科学者らが中国に移籍していることをどう思うか」と意見を求めるスレッドが立てられた。

 中国では日本を称賛したり、日本文化が広がることに対して批判的な声は多いが、優れた人材が中国に向かうことはどのように受け止められているのだろうか。スレッドの反応を見ていると、中国人として理解を示すという人と、批判的な人とに分かれていた。

 理解を示す人の多くが、「サッカー界と同じ」と指摘しており、「グローバル化の今、エリートが海外に行くのは普通のことだ。サッカー選手が高いレベルを求めて欧米に行くのと、科学者が中国に来るのは本質的に同じこと」との意見があった。

 また、中国の大学生というネットユーザーからは「日本の科学者が中国に移籍していることは、良いことばかりで悪いことは1つもない」と主張した。国境を超えた科学技術の交流は双方の刺激になると歓迎し、指導的立場の教授が数年来てくれるだけで、中国側に「研究の方法と方向性というお金では買えない宝」を残してくれるものだと論じた。

 では、反対意見の人は何が不満なのだろうか。多くは中国に移籍してくる科学者の「年齢」を気にしているようだ。「日本は高齢の研究者を追い出して若年化を図ろうとしている」との主張や、科学技術の「黄金年齢は30から40代だ」、結果の出せなかった中国の若い科学者が海外に出ていってしまうのではないか、といった意見が多かった。中国では日本よりも定年が早く、働く高齢者が少ないためかもしれない。

 そのほかの意見としては、中国の大学は「お金があるのだな」と違うところで感心する人や、中国に移籍する日本の科学者らに敬意を示しつつ、海外の科学者を引き寄せるための「マスコット」にされてしまうのではないかと心配している人もいた。中国では歓迎と不安の感情が入り混じっているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)