中国が国内総生産(GDP)で日本を追い抜いてから10年以上が経ち、中国の近代化には目を見張るものがあるが、この発展の背後に日本が提供した3兆6500億円以上の政府開発援助(ODA)があったことを知る中国人は少ない。

 日本の対中ODA自体は知っているという中国人も、ODAが終わるときに初めて知ったという人ばかりだ。中国メディアの知乎はこのほど、「日本が中国に3兆円もの支援をした目的は何か」と題する記事を掲載した。

 記事はまず、中国が3兆円を超える援助を受けてきたことを認め、誰もが知る「北京地下鉄一号線、上海浦東国際空港、大同から秦皇島までの線路、武漢長江二橋」らは日本の援助によって建設されたインフラ整備の「一部」だと紹介した。そして「日本は中国にとって最大の援助国だった」と伝えている。

 では、中国人が日本に感謝すべきかと言えば、そうではないという。記事は、このODAはほとんどが円借款だったことを指摘し、「援助とはいうが、ただでくれたわけではなく貸してもらっただけ」と指摘した。日本側も、日本経済の活性化や日中関係改善、国際的地位の向上といった見返りを期待して、打算のもとで貸してくれただけなので、中国がきっちりと返している以上、「感謝しろと言われる筋合いはない」と主張している。

 開き直りとも言えるこの主張に対し、コメント欄には記事の中国人筆者に同調する意見と、反対意見とで分かれていた。同調する人は、「日本の支援は慈善活動ではない」、「敗戦国なのに日本は賠償金を払っていないので当然」など、中国でよく聞かれる主張を展開していた。しかし反対意見もあり、「困っている時にお金を貸してもらったら感謝するのが筋」という人や、日本は最大の援助国というだけでなく、孤立していた中国に対し「最初に立ち上がって関係回復してくれた」国なので、「打算があったとしても感謝すべき」との主張も見られた。

 これだけの支援をしながらも、全く周知されてないどころか、「日本は賠償金を払っていないので当たり前」という主張がまかり通ってしまうのは残念なことだ。やはりどうしても、多くの中国人には日本に感謝したくない心理があるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)