いち早くワクチンを開発し、海外にも提供することで「ワクチン外交」を展開してきた中国では、中国国民へのワクチン接種も急速に進んでいる。ワクチンを接種するかどうかを、個人の選択に任せているのは日本と同じだが、現実的には選択の余地があまりないようだ。

 一方、中国には仕事や留学などを目的に長期滞在している台湾人も大勢いるが、こうした台湾人は中国のワクチンを打ちたがらないのだという。中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、「中国製ワクチンを打ちたがらない台湾人がいる」と批判する動画を配信した。

 動画では「中国人なら国に感謝し、国の言うことを聞くべきだ」と主張し、中国人である以上は「中国が開発したワクチンを積極的に打つのは当たり前」だと主張。一方、この動画の配信者には台湾人の同僚が複数いるというが、この台湾人の同僚らは中国製ワクチンの安全性や有効性に疑問を抱いていて、打ちたがらないそうだ。

 配信者は、台湾人同僚らの懸念が気に障ったようで、これだけ多くの中国人が接種して何の問題もないのだから、安全性は証明されていると主張した。実際のところ、海外では中国製ワクチンの有効性について疑問の声が出ているが、配信者は中国製ワクチンに絶対の信頼を寄せているようだ。

 動画によると、配信者の働く会社が入るエリアでは、PCR検査を受けて陰性であることを証明できないと中に入ることすらできなくなっているという。同僚の台湾人2人は、中国のPCR検査に対しても懐疑的な見方をしていたそうだが、出勤できなくなるということでやむなく検査を受けたそうだ。配信者は、こうした態度に「国が無料でやってくれることなのに」と、怒り心頭の様子だ。

 個人の自由を尊重する日本でさえ、ワクチンの接種を強制される「ワクチンハラスメント」が問題となるケースがあるが、中国人と中国人以外の中国製ワクチンに対する見方はずいぶん違っているようで、中国の「ワクチンハラスメント」は日本以上のものがあるようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)