中国の若者の間で最近、「横たわり族」が増えていると言われる。中国語では「躺平」(タンピン)と書き、直接の意味は「寝そべる、横たわる」ことを指すが、これが転じて「結婚せず、子どもをもうけず、家や車も買わず、最低限の仕事しかしないで簡素な生活を送る若者たち」を指す言葉になった。

 中国メディアの面包板はこのほど、「横たわり族」は日本にもたくさんいると指摘する記事を掲載した。中国で現在発生する問題の多くが日本ですでに発生しており、「横たわり族」もそのうちの1つだとしている。

 記事は、日本に「横たわり族」が数多く存在すると主張する根拠として、日本はすでに以前から「低欲望社会」が問題になっていることを挙げた。そして、日本に「横たわり族」が増えたのは「日本社会が安定したことで発展や成功のチャンスがなくなってしまったからだ」と分析した。

 日本も高度成長期にはチャンスが多くあったが、バブル崩壊後は日本全体がすっかり固定化してしまい、大きな変化がなく先が見えてしまうと記事は指摘した。加えて日本社会は「高齢者の社会」となっており、多くの権利や富が高齢者の手中にあって若者は身動きが取れないという。このため、多くの若者はやる気を失い、中国でいう「横たわり族」になっていると論じた。

 そして、同様の現象が中国でも最近になって見られるようになったと記事は指摘した。中国も急速な経済成長の時期が終わりを迎え、「新常態」と呼ばれる安定期に入ったが、多くの若者がチャンスを見出せなくなり「横たわり族」になっていると指摘した。

 日本人からすると「中国人は商売が上手で、出世にも積極的で、何事にもアグレッシブ」というイメージがあり、実際に今でもそういう人は少なくない。だが、「横たわり族」という言葉が注目を集めている背景には、中国では激しい競争に疲弊する若者が多く、疲れ果ててしまって「横たわってしまい、立ち上がれない状況」があるのだろう。中国では住んでいる家から乗っている車に至るまで、なんでも比べ合って見栄を張り合う人が少なくない。こうした比較しあう社会では人びとが疲弊するのもある意味で当たり前なのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)