中国では昔から、産後の女性には1カ月間の「坐月子(ズオユエズ)」と呼ばれる特別なケアを行うのが習慣となっている。産後数日で通常の生活に戻ることもある欧州では考えられない習慣だが、中国メディアの快資訊はこのほど、坐月子の習慣に疑問を投げかける記事を掲載した。

 中国の「坐月子」の習慣は独特だ。出産した女性は産後1カ月間は「外出してはいけない」、「窓は閉め切る」、「頭から足まですっぽり布にくるまり、ずっと横になっていなければならない」、「風呂に入ってはいけない」、「髪の毛を洗ってはいけない」、「歯を磨いてはいけない」、「冷たい水を飲んではいけない」、「体を冷やす果物を食べてはいけない」などの決まりを守る必要があるとされる。

 「坐月子」の習慣の詳細は地域によって違いはあるが、農村部に行けば行くほど厳しくなる傾向があるようだ。こうした細かな決まりを守らないと病気になり、「一生後悔することになる」と脅されるのだという。

 中国では絶対視されている「坐月子」の習慣だが、記事の中国人筆者は「やりすぎ」、あるいは「時代遅れ」と感じているようだ。記事は、現代における欧米諸国に「坐月子」の習慣がないことについて、「中国では欧米人と中国人は人種が違うからと言われている」と紹介。しかし、こうした解釈こそがデタラメだと主張し、それは「人種や文化が似ているはずの日本にも坐月子の習慣がない」ことからも明らかだと主張した。

 続けて、欧州でも19世紀ごろまでは「出産後の女性は冷たい空気や水に触れさせない方が良い」と考えられていたのも事実だとし、それでもこうした考え方が消えたのは19世紀後半に「産褥熱(さんじょくねつ)は主に感染症によるもの」という発見をした米国の医師のおかげだと紹介。科学の発展により、産後の女性がかかりやすい病気や体力回復に必要なことが科学的見地に基づいて判断されるようになったことを紹介した。

 記事の中国人筆者は、行き過ぎた「坐月子」による弊害を心配しているのだろう。産後の女性に休息が必要なのは言うまでもないことだが、やりすぎは逆に害になる。真夏にクーラーもつけず、締め切った部屋の布団の中で横になって、熱中症になるという話は中国ではよくあることだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)