日本のノーベル賞受賞者は、アジアの中では断トツで多く、なぜこれほど多いのか中国人に興味を持たれている。科学技術重視の姿勢や匠の精神など、様々な理由が考えられているが、中国メディアの騰訊網は3日、「日本人がこれだけ多くのノーベル賞を受賞できたのは、高い翻訳能力があってこそ」と伝える記事を掲載した。

 翻訳とノーベル賞との間には、どんな関係があるのだろうか。記事は、日本の科学者には特徴があり「英語ができない人が多い」と指摘している。ノーベル賞受賞者のなかにも、英語ができない科学者がいて中国人を驚かせたそうだが、日本人で驚く人はあまりいないだろう。日本は発達した翻訳のおかげで、科学技術を「母語で学び、研究できる」のが当たり前になっている。海外では、科学者になるには英語などの外国語をマスターしたうえで、外国語で学び、考え、研究しなければならないので、日本の科学者はそれだけ有利だという。

 記事は日本における翻訳の歴史は長いと強調し、学ぶ意欲の強い日本人は、西洋からあらゆる知識を吸収し、日本語に翻訳して情報を広めてきたことを指摘。日本語にない言葉は「造語」を作ることで対応し、中国にも多数逆輸出してきたことを紹介、中国で日常的に使われている単語のなかには日本人が西洋から概念を導入して漢字に翻訳し、それから中国に導入された単語が数多く存在することを指摘した。

 さらに日本人の知識欲はとどまるところを知らず、戦後には主に科学技術および貿易関連の情報を収集し広めるため、数多くの機構や会社が設立されたことを紹介。それには翻訳が不可欠だったため、翻訳業が発達し、各分野で専門知識を持つ翻訳のプロが育成されたと伝えている。こうし環境があるからこそ、日本の科学者は母国語で研究に専念できるのだと論じた。

 記事でも言及しているが、「警察」や「科学」、「社会主義」、「共産主義」といった単語は日本生まれの和製漢語であり、同時に中国でも日常的に使われている言葉だ。こうした単語は数多く存在するが、この状況が生まれたのは日本の翻訳力が高かったからと言える。

 また科学者に限らず、英語ができなくても困らないというのは、日本の特徴の1つと言える。これには良し悪しがあるが、研究業に没頭できるのは良い一面だ。仕事の分業制は、これからも日本の良さを引き出してくれることだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)