中国が国内総生産(GDP)で日本を超え、世界第2位の経済大国になって久しいが、これほどの急速な経済成長の根底に日本の援助があったことは中国ではあまり知られていない。中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、中国の経済成長は「30年以上にわたる日本の援助のおかげ」だと紹介する動画を配信した。

 日本による対中援助は主に1979年から始まった政府開発援助(ODA)によるものだ。有償資金協力(円借款)、無償資金協力、技術協力を、約40年の間に合計3兆6500億円以上拠出してきた。このODAは中国の道路や空港,発電所などのインフラ整備に使われてきたようだ。

 動画では、日本が中国の鉄鋼業に対して行った資金・設備・技術・人材各方面での援助を取り上げ、「これが中国の発展に大きく貢献した」と伝えている。たとえば日本企業が技術供与した宝鋼集団は、後に日本企業を抜いて世界第2位の巨大鉄鋼メーカーに成長した。配信者は、中国が本当に困っている時に「真っ先に手を差し伸べてくれたのが日本だった」と振り返った。中国市場に進出するなど、日本にも見返りがあったとはいえ、感謝の心を忘れてはならないと呼びかけている。

 支援がこれだけ巨額で長期に及んだにもかかわらず、中国ではほとんど知られてこなかったのは不思議なことだ。配信者のように情報をあえて発信する人も少ないようだ。動画に対して、受けた恩は忘れてはならない、といった賛同のコメントが多く書き込まれた。ある人は「まさに雪中送炭(せっちゅうそうたん)だ」と感謝を示した。中国人におなじみの四字熟語だが、日本はこれを実践してきたと言えるだろう。

 しかし「日本も利益を得たのだから感謝することはない」、「戦争による被害には足りない」など、お決まりの反論もあったが、こうした不義理な考え方は主流ではなくなっているようだ。「抗日映画の見過ぎだ」、「助けてくれたのは日本だけだったんだぞ」と戒める人や、「援助してくれればくれるほど相手を憎むのは、中国の悪い習慣だ」と嘆く人もいた。日本の対中援助が知られてこなかったのは残念だが、こうした動画が出回るようになったこと自体は、良い傾向ではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)