中国でも大人気の日本アニメだが、いまだに根強い人気を持つのが「宮崎アニメ」。若いアニメファンでも必ず一度は目にする宮崎作品について、中国メディア澎湃が「日本の古来からの価値観」と言う観点から掘り下げている。

 記事は、いくつかのキーワードとともに、宮崎アニメを分析している。その一つ目は「男性中心社会」。「日本は古来から男性中心社会。そのため日本人は女性に対し、穢れと神聖さ、優しさと高潔、嫉妬と復讐という、相反する観点からとらえている」と分析。そのため「女性・少女を主人公」とする「風の谷のナウシカ」や「となりのトトロ」では、抑圧される立場の女性が持つ不安感が描写されている。そうした背景の中で、主人公たちが精神的に自立し、勇気をもって困難に立ち向かう姿が感動的に描かれている。「天空の城ラピュタ」中でも多くの女性が登場するが、強くたくましく、そして時には男性にも物怖じせず立ち向かう姿が魅力的に描かれているのもそうした背景によると解説している。

 さらに、もう一つのキーワードは「もののあはれ」。自然の移ろいや人生の機微にふれたときに感じる情趣を指すこの価値観は、宮崎アニメを語るうえで欠かせないキーワードだ。宮崎アニメの主人公たちは、時の移ろいとともに展開するストーリーの中で、懸命に生きようとする。人々が困難に立ち向かいながら生きるさまを、俯瞰しつつも温かいまなざしで見守るような宮崎アニメの視点には、この「もののははれ」という価値観が反映されている、と解説している。

 さらに、記事は、「源氏物語」、「枕草子」などといった古典や、「菊と刀」などの近代日本を知る上では欠かすことができない文献などとも比較しつつ宮崎アニメを論じている。

 記事はまとめとして、偉大なアニメ映画監督を評し「日本の美学を追求し、作品には東洋的な価値観が満ちている」と結論付けている。(編集:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)