日本経済に関して、中国のネット上では「失われた20年」という表現をしばしば見かける。しかし、実際のところは「イノベーションの20年だった」とも言えるようだ。中国メディアの快資訊はこのほど、日本企業がいかにしてイノベーションを実現してきたかを紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、近年多くの国が債務によって国内経済を刺激する経済政策を実施してきたと指摘。しかし、日本と中国とでは資金の投入先が異なっているという。日本は「産業の再編、革新、研究開発」にお金をかけたのに対し、中国は「不動産、インフラ整備、都市化」に注力してきたと分析した。しかし、中国もこの先日本と同じようにバブル後の後始末と高齢化という問題に直面すると指摘。いかに対処するかについて、日本の方法が大いに参考になるという。

 では、バブル崩壊を経験してきた日本はどのように対応してきたのだろうか。記事は、日本企業は顧客の対象を一般消費者から企業へと転換してきたと指摘。完成品ではなく基幹部品などの分野へと重点を移しており、医療、電池、ロボットなどの分野はすでに日本企業が大きなシェアを占め、基幹技術を握っていると伝えた。最近、コンシューマ向け市場で台頭してきた中国や韓国メーカーは、日本企業の部品を多く使って製造していると指摘している。

 また、日本企業は基幹部品によって利益を確保したうえで、「未来を創造するために投資している」と紹介。例えば、ある日本メーカーは水素エネルギーを活用した技術や安全な飲用水に関する技術、ディーゼル排ガスの浄化などを研究開発していると伝えた。また、ロボット分野でもこれまでの産業用ロボットから、高齢化社会を見据えてサービスロボットへと転換している企業もあるという。

 こうした日本企業の事業転換は中国に啓発を与えているようだが、日本はバブル経済崩壊の時点ですでに一流の技術システムを構築しており、社会保障制度が整備されていたのに対し、中国にはまだ十分な技術の蓄積がなく、社会保障の整備も遅れているという大きな違いがある。中国が日本のように事業転換に成功できるかどうかは未知数だと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)