日本経営管理教育協会が見る中国 第659回 ――磯山隆志

◆2度目の緊急事態宣言が延長

 日本では年末から年明けにかけて新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)が急拡大し、新規感染者数は、最も多い日には日本全国で7,863名となり、東京都では2,447名となった。入院者数や重症者数も増加し、厳しい感染状況と逼迫した医療提供体制を受け、政府は1月7日、2月7日を期限とする2度目の新型コロナ特別措置法に基づく緊急事態宣言を東京都、神奈川、埼玉、千葉の1都3県に発令した。さらに、13日には大阪、京都、愛知、福岡、岐阜、栃木の2府5県も対象にした。

 その後、次第に新規感染者数は減少傾向にあるが、まだ感染状況と医療提供体制は厳しい状況にあるとして、2月7日には緊急事態宣言は栃木以外で1カ月延長され3月7日までとなった。政府は状況が改善されれば、期限を待たずに可能な地域から解除するとしているが、12日も10都府県で解除の判断は見送られた。飲食店や観光業などには厳しい状況が続くこととなった。

◆WHOが武漢研究所からのウイルス漏えいを否定

 新型コロナ禍が続く中、1月14日から中国湖北省武漢を訪れていたWHOの新型コロナウイルス起源解明のための国際調査団と中国の専門家が、2月9日、武漢ウイルス研究所からのウイルス漏えいを否定する会見を共同で行った。さらに、この会見では、海鮮卸売市場が感染の起源ではないと結論づけ、同時に中国が主張していた輸入した冷凍食品によってウイルスが流入したとする説の可能性にも触れて、検証が必要との見解を示した。

 今回のWHOの調査は、最初の新型コロナ発症者が武漢で確認されてから1年が経過して実現したものである。調査では専門家が、感染拡大初期に患者を診察したという武漢市内の病院や、世界で初めて集団感染が確認された海鮮卸売市場、武漢のウイルス研究所などを視察した。調査団は懸念されていた中国側の協力も得られたという。

 調査の結果は、これまでの中国側の主張も踏まえると、ある程度想定できたものになったといえるのではないだろうか。調査団の専門家からは起源の解明には数年かかるとの見通しも出ているという。WHOのテドロス事務局長は、すべての仮説は未解明のままであるとの見解を示しており、今後も調査は継続されるとみられるが、どこまで真実に迫れるだろうか。日本ではワクチンの接種が始まろうとしている。これにより、コロナ禍が収束に向かうのを願うばかりだが、仮に収束しても起源に関して明らかになるのを期待したい。(写真は、首都圏深夜運休のお知らせ。提供:日本経営管理教育協会)