アジアで最も多くのノーベル賞受賞者を輩出している国は日本だ。特に自然科学分野の受賞者が多い。一方、中国は世界一の人口であるにもかかわらず自然科学分野のノーベル賞受賞者は、2015年に生理学・医学賞を受賞した屠ユウユウ氏1人だ。この違いはどこから生まれるのだろうか。

 中国メディアの百家号はこのほど、日本と中国のノーベル賞受賞者の数がこれほど違うのは、すべて「教育の違いが理由である」として、中国の教育の問題点を指摘した中国の著名な大学教授の講演内容について紹介する記事を掲載した。

 この教授によると、主な問題点は2つあるという。その1つが「子どもへの教育を始める時期が早すぎること」。中国における教育で重視されるのは「スタートライン」で、早ければ早いほど良いとされるので「小学校前の教育を強化すべき」との考えが主流だ。しかし、このため子どもたちは後に勉強嫌いになってしまうと分析した。中国の子どもたちは、スタートダッシュは速いが、それより「長く遠くまで走ること」の方が重要だとしている。

 2つ目の問題点は「目前の利益を急いで求めること」だ。これは中国人全体に見られる傾向で、教育分野でも同じだという。この点、日本人は辛抱強く、1つのことにこだわって長く学問に取り組み続けられると紹介。これが科学技術分野での成功につながっていると指摘した。そして、ノーベル賞は基礎研究分野での受賞者が多く、基礎研究こそ忍耐と継続が必要なので、焦っても結果は出ないと論じた。

 著名な教授の分析ということもあり、中国の教育の問題点を的確に指摘していると言えるだろう。とはいえ、現状を変えるのは時間がかかり一筋縄ではいかないものだ。中国の教育改革の道のりはまだ長いと言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)