日本の伝統衣装である「和服」と漢民族の伝統衣装「漢服」にはそれぞれ独特の美しさがある。中国では近年、漢服を見直すべきという機運が高まっているが、それでも漢服を「一種のコスプレ」と認識してしまう中国人は多いようだ。

 一方で、日本では和服を着用することを「コスプレ」と感じる人はいないだろう。こうした点から和服と漢服がそれぞれの社会の日常生活にどれだけ溶け込んでいるかが分かるが、中国メディアの百家号はこのほど、日本では和服が身近な存在であるのに対し、「漢服はなぜ中国人にとって身近でないのか」と問いかける記事を掲載した。

 記事は、中国人が日本という言葉を聞いて「和服を着た日本人女性」を連想する人は少なくないとし、それは日本を訪れた時に「和服を着た日本人」を目にして、その美しさを知っている中国人が多いためだと指摘。しかし、日本と違って、中国では「日常生活で漢服を着る機会はない」とし、街で漢服姿の若者を見かけることはあっても、多くの中国人は漢服を「一種のコスプレ」と認識してしまうのが現状であることを指摘した。

 続けて、中国で漢服が身近な存在でなく、和服のように日常的に着用されない理由として、「中国が多民族国家であること」を挙げ、中国には漢民族を含めて56の民族が存在し、漢服は中国のすべての民族を代表する衣装にはなり得ないのが現状だと強調した。

 さらに「歴史的な要因」もあるとし、中国は古代から現代に至るまで様々な王朝が入れ替わってきたが、そのため漢服のデザインも多種多様で、このデザインの多様さが伝承と普及を妨げる要因となったと強調。さらに漢服は袖下が長かったり、ひらひらした装飾があったりと「デザイン性が高い」がゆえに、日常生活で着用するには少々不便だと指摘。つまり和服に比べて漢服は実用性が低すぎるという欠点もあると主張し、こうした点が和服に比べて漢服が日常的に着用されない理由なのではないかと指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)