日本経営管理教育協会が見る中国 第653回 ――宮本邦夫

 マヨネーズで有名なキューピーが中国の広州に新工場を建設するなど新しい中国市場攻略策を打ち出した。コロナ禍で主要国がマイナス成長をしている中で唯一プラス成長をしている中国の市場を重視してのことであろうが、マヨネーズやドレッシングなどの調味料会社が、中国市場で勝つためには、どうすればよいかについて考察してみたい。

◇「味」と合わせて「健康」を訴える

 中国では、伝統的に生ものを食べる習慣がない国である。かつては刺身を食べることをしなかったし、野菜類も生で食べることはほとんどなかった。この面から言えば、マヨネーズやドレッシングの需要はほとんど期待できない。しかし、中国でも最近でき生野菜を食することが徐々に増えつつあるという。それをさらに促進するためには、これらの調味料が「味」だけではなく「健康」にとっていかに良いかを訴えることである。中国は、古来より「医食同源」の国であるから、健康に良い食べ物であると分かれば、従来の食習慣を変えることは容易に想像できる。

◇新用途をアピールする

 マヨネーズやドレッシングは、生野菜に付けて食べるものと決めつけないで、他の用途を考え、それをアピールしていくことである。日本でも、海苔にマヨネーズを付けて食べる若者もいるし、外国では、マヨネーズを使った寿司を出す店も珍しくない。中国でも、健康に良いと分かれば、現在食しているものにマヨネーズやドレッシングを付けて食べることは十分考えられる。この際、注意しなければならないことは「何々に付けて食べる」と押し付けないようにすることである。ユーザーが、自分自身で自然と考えて使い出すという方向にもっていくのが最良の策である。

◇SNSによる反応を注視する

 最近は、消費者に直接働きかけるテレビや新聞よりもSNSによる影響が大きいと言われており、販促の方法も、従来とは変わったものになってきている。特に、中国は、スマホなどの携帯電話の普及率、利用率が高く、SNSの影響が他国よりも大きい。ある商品を利用した人が、その商品がいかに良いかという感想を発信して、それが拡散して大いに売れたという事例は少なからずある。しかし、その逆のケースもあって、さっぱり売れないということもある。そこで、注意すべきは、SNSによる消費者の反応を良くチェックし、それに応じた対策を講じることである。(写真は、東京都府中市にある中河原工場。提供:日本経営管理教育協会)