中国メディア・中国社会科学網は21日、日本の伝統工芸産業が時代に合わせて発展を遂げている秘訣について紹介する記事を掲載した。

 記事は、日本では1973年の「伝統工芸品振興法」公布以降およそ半世紀に及ぶ努力を経て、伝統工業産業の新たな発展を実現してきたと紹介。その背景には、4つの重要な発展戦略があったとした。

 まず、オリジナリティのあるハイエンドな製品の生産に注力してきたことを挙げた。製品の希少性は企業の競争力を高めるとし、国内外の市場競争が激しくなる中で、日本の伝統工芸産業は唯一無二の製品を作ることで、世界の市場においてその居場所を確保してきたと伝えた。

 次に、伝統工芸製品のイノベーションを積極的に推進してきたことに言及。広島県熊野町で特産の毛筆をメイクブラシに応用した事例に代表されるような、伝統工芸技術の転化、デジタル時代の到来に適応した3Dプリント、レーザー切削、IoTの活用、各伝統工芸産業間のコラボレーションによる新製品開発といった試みを通じて、伝統の継承と技術革新の間でバランスを取りながら発展していると説明した。

 さらに、伝統工芸を地域の知名度向上、活性化と結びつけた宣伝手法も奏功しているとし、ブランドロゴや地理的表示を宣伝に用いることで、商品の宣伝とともに産地も有名になるという一石二鳥の作用を生んでいるとした。

 そして最後に、時代の流れの中で生じる新たなニーズをつかみ、日々多様化、個性化する消費者を喜ばせる商品づくりに取り組んでいることを挙げ、その事例として女性のDIYがブームになる中で、女性が使いやすい木工工具を開発した新潟県長岡市の刃物業界を紹介している。

 記事は「これらの『四位一体』の発展戦略を通じ、伝統工芸産業の新陳代謝を活発化させることに成功した。創造性ある転化、イノベーションによる発展は、伝統産業自体のみならず、地域の経済や文化の発展をももたらしうるのだ」と評した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)