日本経営管理教育協会が見る中国 第650回 ――坂本晃

○100年前1920年のスペイン風邪

 1918年3月4日、アメリカ陸軍基地で最初の症例として記録されている通称スペイン風邪は、当時の技術ではウイルスが原因とは解らず、世界的な流行を約2年間、1918年第1波から1920年第3波まで見せた。

 まだ空路が発達していない時代、当時の世界人口18~20億人の内、25~30%、約5億人が感染、2000万人~4500万人が死亡したとみられ、日本でも29万人の死者が出た。年齢層では若年成人が死に至りやすいと言われた。

 当時の対策は、人から人への伝染なので、かかった人からの咳やくしゃみから飛散する細かい飛沫を受けないようにする、人の集まる所へは行かない、マスクをつけるなどであった。

 収束したのは人類が免疫を自然と獲得したからとされている。

○2020年新型コロナウイルスの世界的蔓延

 2019年12月に中国武漢市で新型コロナウイルス関連肺炎の発生が報告されたのが今回の最初である。

 2015年にすでに次の世界的な危機は、戦争ではなく感染症であるとあるアメリカの経営者は予告していた。武漢市にある研究所に必要な機材を供給していたと思われ、その内容を知っていたのであろう。

 2019年まで、世界経済はグローバリゼイションのかけ声の下、人や資本、製品も利益を求めて世界中を駆け巡っていた。スベイン風邪の時代と大きく異なるのは空路の発達である。

 人から人への感染が主な感染経路であるから、世界の国々は、日本の明治維新前の状態と類似の鎖国政策をとり、まずは国際間の人の移動を止める政策をとった。

 当然国内でも外出しないよう、学校の休校、人の集まるイベント開催の中止、会場の利用制限など、2020年7月の東京オリンピック、パラリンピックも延期された。

 現在、新型コロナウイルスは気体や液体ではなく、固体であることが電子顕微鏡で観察できている。ではどれだけの数のウイルスが人体に入った場合に症状が現れ、死に至るのか、医学的解明はまだできておらず、また簡単な検査方法も開発途上といえよう。

 日本では感染症の基本的対策は医療保険ではなく、税金により、保健所が中心とされている。感染予防のため、お客が減ってしまった飲食店業、人の運輸業、観光地産業などの経済的救済にどれだけ、次世代の負担となる税金をかけられるのか、誰しも明確な答えはもてないであろう。

○アフターコロナを展望して

 人が生きて幸福な生活を送るために、古来から衣食住の充足に知恵が傾けられてきた。食へは農業、日常の生活に必要な住を始め、ものを製造する製造業や建設業、近年の物からことへのサービス業などである。

 地方と都市圏、主な就業先が事務所だった時代から情報技術の発達から可能になった在宅勤務など、日本では少子高齢化による人口減少も目に見えてきた。

 日本では人生100歳時代と言われても、収入を得る仕組みに画期的な変化はできないと思える。(写真は、マスクが品薄時代2020年5月。提供:日本経営管理教育協会)