悠久の歴史を有する中国だが、古い建築物はそれほど多くは残っていない。この点は歴史的な建造物が数多く残り、現在でも使用されている欧州や日本とは大きく異なると言えるだろう。中国メディアの百家号は10日、旧満州地区に残る日本統治時代の建築物について紹介する記事を掲載した。

 記事が紹介したのは、遼寧省遼陽市白塔区勝利街道にある建物だ。記事によると、日露戦争後に日本は遼陽市の権益を獲得し、多くの日本人が移り住んできて様々な建造物を建築したという。このなかに、南満洲鉄道の従業員宿舎が含まれ、1924年に完成したこの宿舎は現在でも2棟が残っていると伝えた。

 記事ではその写真も紹介。切妻屋根のレンガ造りで2階建てであり、長さ71メートル、幅10.6メートル、高さ16メートル、面積は約1421平方メートルだと伝えた。新中国成立後もつい最近まで中国国家鉄路集団が従業員宿舎として使用していたという。中国の建築物は手抜き工事で寿命が短いと揶揄されることもあるが、約100年前の建物が今も残っているというのは驚くべき品質と言えるだろう。

 しかし、この宿舎も移転が決まっており、夏の時点でほとんどがすでに立ち退いていると記事は指摘。見たところ古いとはいえまだ使用できそうではあるが、この建物がこの先どうなるのかは分からないそうだ。駅前の歴史文化街道と一緒にして保存するとの話もあるが、確かな情報ではないという。それで、まだ建物が残っているうちに見学するよう記事は勧めている。

 中国では、旧満州だった東北部を中心に日本が建築した建物が残っているところがあるが、それもあまり多くはないようだ。歴史的な建造物が消えていくことは残念であり、ぜひとも何らかの形で保存してもらいたいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)