新型コロナウイルスの感染拡大で、すでに存在していた溝がさらに深まった豪中関係。オーストラリアでは2019年の時点ですでに中国のスパイ疑惑が報じられ、中国との関係は悪化していた。そこへコロナ問題が持ち上がり、はっきりとした対立関係ができてしまった格好だ。

 すっかり悪化してしまった豪州関係だが、中国メディアの快資訊は8日、オーストラリアの元首相が「オーストラリアは、中国との関係で日本を見習うべき」と訴えていると紹介する記事を掲載した。この元首相とはケビン・マイケル・ラッド氏だ。同氏は、大学で中国語と中国史を専攻していただけあって中国に詳しく、かつては親中派と目されていたこともある。

 記事はまず、近年のオーストラリアの中国に対する態度を批判。これまでせっかく良好な関係を保ってきたにもかかわらず、「西洋の大国と親しくなってから、中国を表立って悪く言うようになった」と主張。この大国とは、言わずもがな米国のことだろう。オーストラリアは中国のコロナ対策について、「人権を無視した、強制的な方法」だとして、メディアを通して中国を激しく攻撃したと恨めしそうに伝えた。

 では、ケビン・ラッド氏はどのように「日本を見習う」ことを勧めているのだろうか。記事は、最近同氏は「今の豪中関係はかつての日中関係に似ている」との見方を示していると紹介。2国間にはかつて戦争があり、今でも意見の不一致があるものの、安倍前首相にしても菅首相にしても中国に対する外交手腕が優れているため、日本は中国と一定の関係を築いているとした。ならば、中国との間に領土問題も戦争の歴史もないオーストラリアは、日本の例を参考に関係を修復できるはずだと論じた。

 記事は結論として、最大の貿易相手国である中国とのさらなる関係悪化は、オーストラリア経済を「重症化」に追い込むだろうと、脅迫まがいのことばで結んだ。安倍氏と菅氏の外交手腕のは別として、「日本の対中関係」はオーストラリアの良いお手本になっている、という考え方もあるようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)