世界中に160万人いると言われる中国人留学生。2019年時点で日本には約12万人の中国人留学生がいたことから分かるとおり、日本は中国人に人気の留学先の1つと言えるだろう。これは今に始まったことではなく、100年以上前にも中国では日本留学ブームがあったようだ。中国メディアの百家号はこのほど、かつての中国の偉人たちが留学先として日本を選んだ理由について分析する記事を掲載した。

 記事が指摘したのは、清国末期に起こった日本留学ブームだ。日清戦争で勝利を収めたことで日本は「明治維新が成功したことを証明した」と強調しつつ、敗れた清国では「日本に学べ」というのが共通認識となり、多くの人が日本に留学するようになったという。

 日清戦争後の1896年に日本へ留学したのは13人だったが、1899年には100人を超え、科挙制度が廃された1905年には6000人を突破。1906年には約8000人にまで膨れ上がったと伝えた。

 なぜこれほど多くの中国人が留学先として日本を選んだのだろうか。記事は5つの理由があると分析。それは「距離的な近さ」、「日本語は中国語に近いので学びやすい」、「日本と清国の風習は似ているので模倣しやすい」、「日本は政治改革に成功したが中国は失敗した」、「費用の安さ」だという。特に、「費用の安さ」は欧州への留学と比べると際立っており、1年間の留学費用は日本だと欧州の約17分の1で済んだという。日本は明治維新を通じて西洋の文明を多く取り入れていたため、日本に留学することで西洋諸国に留学するより安く、西洋の文明を学べるというのも理由だったようだ。

 当時の日本留学経験者には、後に首相を務めた周恩来や作家の魯迅など、後の中国に大きな影響を与えた人物が多く含まれている。その意味で日本留学は費用対効果が高かったと言えるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)