中国のポータルサイト・百度に5日、世界最高峰の技術を持つ日本の小工場を紹介する記事が掲載された。

 記事は、日本には「小さくて美しい」企業が実にたくさんあるとし、これらの家内工業式の小さな企業は、確かな技術によって小規模経営を続けており、小規模ながらも日本ひいては世界をリードする存在なのであると紹介した。

 そして、その事例の一つとして東京都墨田区にある岡野工業を取り上げた。従業員10人足らずの小工場ながら、プレス加工では世界一の技術を誇るとされ、「痛くない注射針」が代表作の一つであると説明。同社の成功は、代表者である岡野雅行氏の卓越した技術だけでなく、「他人ができないことをやる」という経営理念によるものだったとしている。

 その上で、技術の世代交代が急速に進む中で同社は、低コストの注文を受けて基本的な収入を確保しつつ、他社が引き受けないような難度の非常に高い注文も受けるというスタイルと貫いたと紹介。前者で安定を図りつつ、後者によって高い競争力を絶えず身に着け、世界的な技術を持つ企業へと発展することができたのだと伝えた。

 また、高い技術とそれに裏付けられた競争力を身に着けていくなかで、岡野氏は市場にある既存製品の模倣に甘んじることなく、弛みない努力によって独自の技術革新を実現し、新たな製品を開発していったのだと紹介している。

 記事は、2年前に岡野氏が「2年後に引退する」と語り、会社をたたむことを宣言していたと紹介。「岡野氏の超絶技術は、誰しもがその域にたどり続けるとは限らないもの。個人としては世界の先端を行く職人だが、商業的な角度から見ればその経営は失敗だろう。なぜなら、個人に依存するところが大きかったからだ。ある企業が代々長く発展していくためには、柱となる技術が必要であるとともに、その技術を伝承させていく体制、システムを持つ必要があるのだ」と評した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)