中国のポータルサイト・百度に5日、ある中国人学者がかつて日本で「今の日本人こそ本当の中国人だ」と発言したと紹介し、その意味について解説する記事が掲載された。

 記事は、清朝末期から中華民国期に活躍した学者・辜鴻銘氏がかつて東京帝国大学の講堂で「中国文明の復興と日本」という講演を行い、「日本人こそ本当の中国人だ」という考え方を披露したと紹介。この発言に対して多くの中国人留学生が反感を覚えるとともに、日本人もその意味を理解しかねる様子だったと伝えた。

 その上で、辜氏が語った内容は「この話をすると皆さん驚くかもしれないが、実は日本人も本当の日本人ではなく、今の日本人は本当の中国人というべきなのである。すなわち、唐代の中国人の精神は今、日本で継続されている一方で、中国ではすでに大部分が失われてしまった」というものだったと説明。その要点は、唐代の中国人の精神こそ伝統的な意味合いでの中国人の精神であるにもかかわらず、中国では異民族の侵入によって多くのすぐれた文化が伝承されることなく途絶えてしまったのに対し、唐代に使者を数多く派遣して先進文化を学んだ日本は、これらの文化をしっかりと保護し、異民族からの侵略を経験しなかったこともあって今にいだるまで伝承されている、日本の文化の多くは唐代の「遺伝」なのである、ということなのだと解説した。

 記事は、当時日本に留学していた中国人学生からは辜氏に対して「日本人におもねるためなら、どんなことでもするのか」などと罵声が飛び出したとした上で、当時の学生たちはその意味を誤解していたと指摘。「辜の学識の深さを感じざるを得ない。当時の外国人は彼を東洋の賢哲の一人を見なし、『中国で故宮の三大殿を観なくてもいいが、辜鴻銘を見ないわけにはいかない』と称されるほどだったのだ」と評している。

 中国のネット上で日本の古都である京都や奈良について紹介する際、しばしば「唐代の中国の面影を残す」、「今の中国で失われてしまった唐の時代の生き写し」といった表現が用いられる。それはまさに辜鴻銘氏の指摘した内容と見事に一致するものであり、この点からも辜鴻銘氏の見識の高さがうかがい知れるのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)