中国のポータルサイト・百度に3日、今世紀に入ってほぼ毎年ノーベル賞受賞者を輩出してきた日本について、今後受賞者が出なくなる可能性があるとする記事が掲載された。

 記事は、中国よりもはるかに人口が少ない隣国の日本が、今や欧米を除く国で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出しており、この状況に多くの中国人が羨ましがっていると紹介。特に今世紀に入ってからはほぼ毎年受賞者を出し、その数は米国に次いで世界第2位であると伝えた。

 一方で、今年も受賞者候補が盛んに取りざたされながら結局日本からは誰も受賞者が出現しなかったと指摘。2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏が以前「日本からはもうノーベル賞受賞者が出ないかもしれない」と語ったことがあるとした。

 そして、大隅氏の発言の背景には、日本における科学研究を取り巻く環境が非常に厳しくなっていることがあると考察。1980年代の日本では強い経済力を背景として若い研究者たちが食い扶持を心配することなく自らの研究に専念できる環境があり、これがのちにノーベル賞受賞者を続々出す基盤になったものの、90年代以降は景気低迷の影響により政府による科学研究経費投入がほとんど増えなくなってしまったと伝えている。

 また、少子高齢化に伴い若者全体の数が減少する中で、博士課程に入り研究の道を進む若者が非常に少なくなっていると解説。その理由は生計の問題であり、日本の大多数の博士は博士課程在籍時に高額な学費を支払う必要があるうえ、どうやって生計を立てていくかで悩む必要があるとした。また、政府による科学研究経費の大幅削減も加わって、日本の博士の境遇は一層厳しさを増しているとした。

 記事は最後に、日本が現在直面している「危機」は決して日本だけで生じ得るものではないと指摘している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)