世界のどの国・地域にもたいてい、その土地に住む民族ならではの衣装がある。日本の場合は和服がそれにあたり、現代においても成人式など特定の場面において着る機会がある。しかし、漢民族の民族衣装である「漢服」を着る中国人は現在ほとんどいないというが、これはなぜなのだろうか。

 中国メディアの快資訊はこのほど、日本人は現代でも和服を着用し、韓国人も韓服を着用する機会があるというのに、中国人が漢服を着ると「奇異の眼差し」で見られるのはなぜなのかと問いかけ、この理由について分析する記事を掲載した。

 記事によると、結論から言えば「中国人は漢民族だけではないから」だという。中国は56の民族から成っており、歴史的に中国は漢民族による支配だけではなかったと指摘している。例えば、260年以上中国全土を支配した清王朝は満州族であり、このため漢民族の衣装は満民族のそれに取って代わられてしまったと説明した。

 そのうえで漢服を着ることの利点について力説。着心地が良いだけでなく、「中国医学」の観点から見ても非常に理に適っているという。例えば、現代の女性用の服飾はデザインが豊富とはいえ、胸部や腹部を露出した服装は体を冷やすため、そのような服装はセクシーではあるが女性特有の病気を引き起こしやすくなると主張した。この点、漢服は腹部を隠し寒気が体内に侵入するのを防ぐので、女性が着用するのに適していると論じている。

 日本では中国的な衣装というとチャイナドレスを思い浮かべる人が多いだろうが、チャイナドレスは満州族の民族服がベースとなっている衣装であり、中国の伝統衣装とは言えない。中国人の大多数を占める漢民族の民族衣装である「漢服」は日本ではあまり知られていないのが現状だ。

 記事は「中国人が漢服を着ると奇異の眼差しで見られる」と主張しているが、実際には漢服を好んで着る若者が徐々に増えていると言われる。これは数年前では考えられないことであり、それだけ中国の若者たちが、中国の歴史や文化に改めて誇りを持つようになってきたことの表れなのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)