中国の若者向け有力オンラインエンターテインメントプラットフォームを運営するBilibili Inc.(NASDAQ: BILI)は、2020年12月19日に中国のトップバーチャルライバーによるオフライン・ライブイベント「Bilibili Macro Link-VR」(BML)を上海で開催する。BMLシリーズは2013年に開催以来これまで10回開催され、中国国内サブカルチャーにおいて最も知名度の高いオフラインイベントの一つとなった。今回は、新型コロナウイルス流行後初のBMLによるオフラインイベントとして注目を集めている。日本からもBiliBiliで活動する多数の著名なバーチャルライバー(VTuber)が参加し、会場を盛り上げる。
 
 BiliBiliは元々二次元カルチャーのコンテンツ配信で起業し、バーチャルライバーとビリビリライブが非常に良くマッチしていることがBilibiliの成長の強力な原動力となっている。若者世代が集まるビリビリにおいてバーチャルライバーの人気は非常に高く、ゴールデンタイムの19時~22時のビリビリライブエリアのトップページにいるVTuberの人気は安定し、2020年1月から10月にかけて、ビリビリにおけるバーチャルライバーの生配信の月間平均視聴時間は、昨年の同時期と比較して225%増加した。

 今回のBMLには、キズナアイ、物述有栖、HIMEHINAなど多くの人に知られている著名なVup/VTuberが出演する。それ以外に、ビリビリでライブ実績が2年に満たない日本の新人、緋赤エリオさんが初めて出演する。

 緋赤エリオさんは、2019年10月3日に初めてビリビリで限定生配信を行った新人だが、2020年11月16日の時点でフォロワー数は4300万人を超え、艦長数(配信者に対して月額198元(約3100円)以上の支援を行った視聴者に対する呼称)は8363人に達し、現在も増え続けている。緋赤エリオさんのブレイクのきっかけになったのは、今年10月に、コロナ禍で失業したこと、また、家族の不幸があったことを公表する生配信を行い、配信中に9万人近くの人と交流し、そのうち30%の人が彼女に課金アイテムを贈った。10月だけで獲得した艦長数は6513に達し、一夜にしてビリビリで最も人気のあるVupの一人になった。

 2019年における中国のライブコマース市場全体の規模は前年比210%増の4338億元(約6兆8800億円)に達し、Eコマース市場への浸透率は4.1%だった。将来的には「ライブ+α」がEコマースの常識となり、ライブコマースがEコマースの「スタンダード」となるといわれている。2020年にライブコマース全体の規模は1兆500億元に達し、普及率は8.6%に及び、2021年にはライブコマース全体の規模は2兆元に拡大し、普及率は14.3%に達すると予想されている。

 そして、バーチャルライバーはこの巨大な中国ライブコマース市場において、大きな利益を生み出す存在になっている。特に、1995年生まれ以降の世代に受け入れられていることもあり、生配信において活躍している。今年の5月1日に、中国大手ECサイトタオバオの生配信で中国No.1バーチャルシンガーの洛天依(ルォ・テンイ)、楽正綾(ユーチェンリン)などのバーチャルアイドルを招待してのライブコマースが行われ、洛天依が登場した後、タオバオライブでのオンライン視聴者数は270万人に達し、200万人が課金アイテムを贈った。これに先立ち、3月に大手洗剤メーカーのTideは中国大手ECサイト京東商城でランドリービーズのライブコマースに洛天依が出演し、4月には人気KOLの李佳琦(Austin) がロクシタンのライブコマースで洛天依と共演した。(写真は、Bilibili Macro Link-VRキービジュアル。提供:Bilibili)