中国のポータルサイト・百度に18日、「広東省仏山市に登場したネットの人気スポットが、日本メディアに取り上げられたことで潰れてしまった」とする記事が掲載された。

 記事は、現在中国では「網紅経済」が盛んになっており、各地で写真や動画を撮影してSNS上に掲載するための人気ストリート、人気スポットが続々と誕生していると紹介。香港の古い町並みを再現した通りや、ドイツ、イタリアの伝統的な欧州建築を模した場所などに人気が集まり、多くの男女がやってきては写真を撮る様子を日常的に見かけるとした。

 そして、広東省仏山市に出現して短期間のうちに注目を集めた「日本一番街」もその一つであると説明。全長200メートルほどの短い通りの全体が日本風の装飾で埋め尽くされており、道路標識やバス停、ポストなど細部にまでこだわって再現されていたことから多くの若者、日本のマンガ・アニメファン、コスプレ愛好家が続々と現地を訪れていた紹介した。

 一方で「有名になると面倒なことになる」とし、「日本一番街」が日本のメディアによって大きく紹介されると、日本のSNS上では「版権の侵害だ」「中国人によるパクリだ」などと批判が噴出、オープンしてしてわずか2カ月余りで通りの「改造」を余儀なくされ、日本の繁華街を模した看板や造形物が撤去されたり、覆い隠されたりして、日本テイストが瞬時のうちに消えてしまったと伝えている。

 記事はその上で、多くの中国のネットユーザーがこの件について「日本文化が中国でも人気があることを示すものであり、非難するほどのことではないじゃないか」と不満をこぼしたとした。

 「日本一番街」が取り沙汰されたのは、看板などに日本のマンガ・アニメ作品のタイトルや決め台詞が書かれていたことによる版権の問題が大きいと思われる。では、もし「日本一番街」に版権を巡る議論が起きるような文言が並んでいなかったら、問題視されなかっただろうか。それでも日本のSNS上では「日本の街をパクった」と茶化し、非難する声が大きかったかもしれない。

 今回の「日本一番街」を巡る日本の報道は、「中国人がまた変なもの、怪しいものを作った」という視点に終始した印象を覚える。中国で版権や著作権に対する意識がまだまだ浅いことは否定できず、「ダメなものはダメ」と言う必要があることはもちろんだが、同時に「これだけ多くの中国の若者が、日本の街や文化に興味を持ってくれている」と考えることも大切なのではないだろうか。

 昨今、中国では「日本街」や「和服」が歴史問題に絡んで激しい非難を受けるケースがしばしば生じている。そんな中でも、「いいものはいい」と日本の文化に親しみ、「推し」てくれている人たちを大事にすべきだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)