警視庁によると、2019年に東京都内で拾得物として警察に届けられた件数は約415万2000件、現金は約38億8400万円となり、いずれも過去最多となった。これだけ多くの物や現金が警察に届けられているというのは驚きだが、それだけ日本は落し物を勝手に持ち去る、いわゆる「ネコババ」をする人が少ないとも言える。落としたものが戻ってくる可能性の高い日本は中国人からすると異世界に思えるのかもしれない。

 中国の動画サイト・西瓜視頻で、日本に住んでいる中国人女性が「交通系ICカードを拾ったので駅に届けるところ」を配信した。これまでも財布や現金を拾って警察へ届けたことがあるというこの女性は、日本では取得物の届け出がいかに面倒であるかを説明している。

 例えば、ある時はATMで現金の入った封筒が置かれたままになっていたため、警察へ届けたが、そこで様々な質問を受け、書類に記入しなければならなかったと紹介。「自分がお金を届けに来たのか、それとも泥棒なのか分からなくなるほど」質問攻めになったという。しかも言葉も良く分からなかったため相当大変だったようだ。そのためか、今回拾った交通ICカードは駅に届けることにしたと伝えた。動画を見ると駅の職員に渡すだけであっさりと終わっている。

 中国では取得物を自分のものにしてしまう人が少なくないなかで、この配信者の行動は褒められるべきことである。動画に対するコメントにも、この女性への称賛の言葉と、日本の公徳心の高さを褒める内容が並んだ。しかし、「配信者は偉い。でも自分ならきっとネコババする」、「自分なら財布を拾ったらうれしすぎておかしくなってしまう」という意見があったのは中国人の本音と言えそうだ。

 また、「日本に行くとみんな文明的になって戻ってくる。不思議だ」という人もいたが、確かに環境が人を変える部分もあるのだろう。中国の場合、警察に届けても警察官が自分のポケットに入れてしまうのではないかと疑うので、警察には届けないという中国人もいる。煩雑な手続きがあるとはいえ、日本のシステムは信用できる良い制度といえるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)