2020年5月に財務省が公表したところによると、日本の対外純資産残高は前年比23兆円増の364兆5250億円で、29年連続で世界最大の対外債権国となった。こうした事実を踏まえ、中国メディアの今日頭条はこのほど、「失われた20年は単なるパフォーマンスだったのか」と題する記事を掲載した。日本は海外への投資によって「海外にもう1つの日本を作り出そうとしている」と伝えている。

 日本経済はよく「失われた20年」と形容されるが、記事は「日本はこの20年で失ったものもあるが、得たものもある」と指摘。バブル崩壊を機に、貿易立国から投資立国へと転換し、企業には積極的な海外投資を奨励してきたと紹介した。投資先は中国、東南アジア、米国、欧州など様々で、日本は「資産を世界各国に分散させようとしている」のだという。

 日本は海外にどれだけの資産を有しているのだろうか。記事は、2019年の対外資産残高は約1098兆円にのぼり、日本の国内総生産(GDP)の約2倍だと紹介。「日本が2つあるようなものだ」といかに海外に投資しているかを伝えている。また、対外負債を差し引いた対外純資産残高は約364兆円だと指摘し、これは2位のドイツの1.2倍、3位の中国の1.5倍に当たると説明した。

 こうした海外資産のおかげで日本は豊かさを保っており、国民もその恩恵にあずかり、日本国内にも多くの資産があると主張。実際、金融広報委員会による「家計の金融行動に関する世論調査(2019年)」によると、2人以上世帯の金融資産の平均値は1139万円となっている。そのため記事は、「海外資産の蓄積と個人の金融資産に注目すれば、失われた20年の中でなぜ日本経済の実力と豊かさが先進国の中で上位なのかがよく分かる」と主張した。

 いわゆる「失われた20年」の期間、日本がずっと世界最大の対外純資産国の座を維持してきたのは、それだけ「20年間に得てきたものも大きかった」表れと言えるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)