中国のポータルサイト・百度に11日、中国人にとって旧日本軍による侵攻の最も象徴的な場所と言える江蘇省南京市に、かつて建築された日本の神社建築がそ残されていることを紹介する記事が掲載された。

 記事は、南京市中心部の五台山に「明らかに日本の建築風格を持つ廟」があり、黒い瓦屋根に小豆色の柱、そして入口の左右には座った獅子の石像というまさに日本の神社建築が持つ雰囲気は「南京という街には似つかわしくない」と紹介した。

 その上で、この建築について日本人が1940年から2年間かけて完成された神社で、東京にある靖国神社を模して建てたものであると説明。正殿には天照大神と日本の宝剣が祀られ、その両側には日中戦争で戦死した高級将校の霊が、付随する小さな廟には下士官らがそれぞれ祀られていたとしている。

 そして、終戦後もこの建物は破壊されることなく「中国抗戦陣亡将士記念堂」として利用され、その後中国共産党による南京解放まではボーイスカウトの中国本部となり、解放後は長く江蘇省体育局の事務所として使われてきたと紹介。2011年には「かつて日本軍が侵略した鉄の証拠」として江蘇省の保護文化財リスト入りし、今なお愛国主義の教育基地の一つとして保存されているのだと伝えた。

 中国では戦前・戦中に当時の日本が建築した建物を破壊することなく用いてきた事例は決して少なくない。遼寧省大連市に建設された東本願寺別院は終戦後図書館の書庫となり、1990年からは大連京劇院の建物として利用されてきた。93年には市の保護文化財に指定されている。そしてちょうど1年前の2019年10月、大連京劇院が新しく建設された拠点に移転したことで、旧東本願寺別院はまさに日本統治時代の記憶を残す歴史的遺構となった。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)