近年、中国の工業化は急速なスピードで進んできたが、日本とは大きな違いがあるようだ。中国メディアの今日頭条はこのほど、日本に留学経験のある中国人が分析した「日本と中国の工業化の違い」を紹介する記事を掲載した。

 記事の中国人筆者がまず指摘したのは、日中の工業化の歴史の違いだ。日本には100年以上の歴史があるのに対し、中国は長くても30年程度だと紹介。そのため日本では工場の質が高くなるのが早く、筆者が1990年代に日本の工場を見学した際にはすでに不良品ゼロを実現しており、品質の高さを実感したという。

 また、中国の農村部にある小型工場は、いまだに20年前の日本の工場とも比較できないほど遅れていると指摘。工場の設備のみならず、従業員の技能レベルでも中国農村部の工場はかなり遅れていて、「日中の工業の実力差を実感する」と述べている。この点、日本は地域差がほとんどないと言って良いだろう。

 また記事は、近年の「スマート化」に至る過程も日本と中国とでは異なると分析。工業化が始まって久しい日本は、機械化から自動化、そしてスマート化へと徐々に進歩していったが、工業化の歴史の浅い中国は「機械化と自動化とスマート化を同時進行させた」という。それで中国は飛躍的な発展を遂げたものの、工業システム全体が複雑になり、地域ごとの違いや同じ企業内でも技術に差が出てしまったとしている。

 この点、日本の企業は工業化の歴史が長いため、技術の蓄積や研究開発能力があり、独立した技術モデルを形成し、これが日本の技術システムを完璧にしていると記事は分析。中国企業とは発展の仕方が違っており、技術の蓄積がないことは中国のスマート化にとって不利な要素になるようだ。

 これだけ短期間で成長した中国で、ひずみが出るのは避けられないことだろう。この点、歴史ある日本の工業には安定した力があるようだ。記事は、中国の不足を埋めるためにも「日本と協力してスマート生産技術を導入すべきだ」と提言しているが、ちょっと都合がよすぎるのではないだろうか。いつまでも他力本願では、中国の工業化に未来があるのか少々疑問だ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)