中国人労働者は日本人に比べてすぐに「転職」する傾向がある。何か気にくわないことがあったり、他の企業から良い条件を提示されたりすれば、なんのためらいもなく退職してしまうのが中国人だと言えるだろう。中国企業は社員教育に消極的と言われるが、コストをかけて教育を行っても、社員はいつ退職してしまうか分からないがゆえに、コストが無駄になってしまう可能性があるためだ。

 日本も近年は労働市場の流動化が進み、転職はなんら珍しいことではなくなったが、中国では今でも「日本人は1つの会社に一生勤める」と誤解している人は多いようだ。中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、「日本人は1つの会社に一生勤め上げるという噂は本当なのか」と問いかけ、これは「仕事に対する敬意や責任感の表れなのか」と問いかけるスレッドが立てられた。

 多くの中国人は日本人に対して「職人気質」や「仕事熱心」というイメージを抱いており、毎日残業するビジネスパーソンが多いことも知られている。また、日本人は中国人ほど簡単に転職をせず、場合によっては「その会社に骨をうずめる覚悟」を持って就職する日本人もいるという話を聞くと、中国人からすれば「何のために骨をうずめる覚悟を持って就職するのか」、その意図が理解できないようだ。

 中国人ネットユーザーからは、日本ではもう終身雇用はほぼ崩壊していることを指摘するコメントが寄せられていたが、それでも日本人が1つの企業に長く勤める傾向にあるのは「勤続年数によって昇給や昇進の可能性が高まるかではないから」、あるいは「日本人にとって就職や転職は給料だけが判断基準ではなく、福利厚生も大切だからではないか」という意見が見られた。

 また、日本企業は社員教育を重視し、社員に必要な訓練や経験を積ませることに積極的だと指摘し、「これが日本人と中国人の仕事に対するモチベーションの差につながる」と主張、日本人は高いモチベーションを維持できるからこそ、「1つの会社に長く勤める」のではないかという考察も見られた。

 中国では国慶節や春節などの長期連休で帰省した社員が、休みが終わっても職場に戻らず、そのまま音信不通になってしまうというケースは珍しくない。また、給与の条件さえ良ければ、ライバル企業に転職するなども日常茶飯事だ。こうした状況だけに、日本人が「骨をうずめる覚悟」で就職したり、1つの会社に長く勤めたりするのは中国人からすればなかなか理解できないことのようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)