日本の経済発展に関する記事はたびたび中国メディアに掲載される。中国メディアの百度は2日付の記事で「日本の真の強さはお札を見ればわかる」と題する一風変わった角度の記事を掲載した。記事によると、日本の現行の紙幣の肖像には、福沢諭吉、樋口一葉、夏目漱石が描かれているが、そこから日本の強さの秘密をうかがい知れる、というのだ。どういう意味か。

 記事は、福沢諭吉を日本の偉大な教育者、樋口一葉と夏目漱石は文学者であると紹介している。特に、福沢諭吉は学問の必要性を説き、日本の現代教育の基礎を築いた。また、樋口一葉も、貧困に耐えながらも優れた文学作品を残し、日本の文学への多大な影響を残した。また、文豪夏目漱石も、言うまでもなく日本文学への貢献は多大なものだ。では、なぜこれらの人物が「日本の強さ」と関係があるのか。

 結論から述べると「教育や文学に功績を残した人物を正しく評価できることこそ、その国の真の強さ」ということのようだ。

 中でも記事は、夏目漱石の功績に焦点を当てている。「欧米に留学した夏目漱石が、その日本との差に愕然とさせられ、その後の近代化に大きな影響を与えた」と指摘。当時の日本は「富国強兵」をスローガンに急速な発展を遂げていた。そんな中、夏目漱石は第一作の「吾輩は猫である」で、猫の目を通して社会の不条理や孤独、エゴを鋭く描写した。こうした冷静な視点が、当時の人々に経済的な繁栄を客観的に見るよう促し、真の豊かさに目を向けるように助けた、と分析している。

 さらに、夏目漱石を中国の文学者魯迅とも比較し、「魯迅が日本に留学して客観的な視点から当時の中国を分析したことと似ている」と述べている。

 記事は、こうした教育や文学に大きな功績を残した人物を紙幣の肖像に選ぶことに対して評価しており、「文学とはその国の文化的基盤を形作り、物事の本質に目を向けるよう人々を助けるものだ。現在の虚飾に満ちた繁栄にばかり目を奪われず、“真の豊かさ”に目を向けることが大切」と結論付けている。(編集:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)