今、中国である日本の著述家の本が売れている。元『暮しの手帖』編集長の松浦弥太郎氏の本だ。特に、都市で仕事をしながら忙しく生活する若者に人気のようだ。中国メディアの百度が、多くの中国人が共感する松浦弥太郎氏の価値観とは何かをまとめている。

 1つ目は8割で満足することを知る、という点。「腹八分目」と言う言葉もあるが、食事や生活、人間関係においていつもこの「控えめ」を意識することが重要。私たちの生活には仕事、SNSなど孤独感を紛らわせるものがたくさんある。とはいえ、孤独感を解消することはできず、追い求めれば追い求めるほど孤独になっていく。いったんそうしたものから距離を取り一人で過ごす「孤独な」時間を持つこと、このアドバイスに共感しているようだ。

 2つ目は毎日の生活の「発見」を楽しむ、という点。ふと立ち止まると、生活には新鮮で驚きに満ちたものにあふれている。忙しい生活の中で見過ごされがちな「美しいもの」に目をとめ楽しむことで、人生はもっと豊かになる。「見方」を少し変えるだけで、これまでの「退屈な生活」が「発見」に満ちたものになる、と言う観点だ。忙しい生活の中でふと立ち止まる時間を作る、という点に共感する人が多いようだ。

 3つ目は何かに依存しないで生きる、という点。友達、家族や会社などわたしたちは何かのグループに属していると安心するもの。とはいえ、こうした帰属意識に安心する一方で依存している部分がある。そうした依存は人間関係への疲れをもたらす。まずは、人は元来孤独であることを受け入れることが大切。時にはそうしたグループから距離を置く時間を作り、孤独を楽しむ時間も必要。こうした価値観に共感する中国人が多いことは、家族や会社など一般的に日本以上に緊密な人間関係が好まれる中国でも、そうした関係への疲れが垣間見える。

 記事は、松浦弥太郎氏の著作を紹介する形でまとめられており、「松浦弥太郎氏の本には私たちの人生に必要な格言が収められている」と述べている。(編集:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)