日本経営管理教育協会が見る中国 第637回 ――水野隆張

◆米中対立が軍事対立に波及している

 中国は8月26日南シナ海向けに弾道ミサイルを4発発射した。四沙諸島と海南島に挟まれた航行禁止海域に着弾したと見られている。

 貿易戦争に始まった米中対立は軍事対立までに波及して南シナ海での緊張が高まっている。エスパー国務長官はハワイでの講演で「同盟国との強固なネットワークで中国という競争相手に優位を保ってきた。それをさらに拡大する」と中国の脅威に対抗する包囲網の構築を改めて提唱している。

◆戦いの基本はまず民が心を一つにすることである。

 ところで中国古典の「兵法書」には下記のような言葉がある。

 「用兵抗戦の本(もと)は民を壱(いつ)にするに在り――戦いの基本はまず民が心を一つにすることである。民の心が統一されていなければ如何に軍備がととのい戦略にぬかりがなくとも戦いに勝つことは出来ない――と」。

 今、中国では公然と習近平批判が盛り上がっているという。中国共産党幹部を養成する「中央党校」女性教授(米国在住)は、習近平氏を「マフィアのボス」、共産党を「ゾンビ」と罵倒し、共産党員は習近平の奴隷に成り下がっている」とまで断じている。

 また、名門大学の教授が習近平氏を批判して逮捕されるという事件も発生している。その後も教授は「命ある限り批判を続ける。これは我々の責任であると同時に宿命である」と批判の姿勢を続けているとわれている。

◆強固な日米同盟を基本として近隣諸国と連携して中国の進出に対抗すべきであろう

 習近平氏は2035年までは現在の権力者の地位にとどまり米国を追い抜き世界を制覇する目標の下に国内独裁体制を築きあげて来た。しかしながら抑圧による支配体制には限界があり中国の歴史を振り返ってみて見ても民の支持は得られないであろうと思われる。

 日本史に喩えてみても権勢を誇った平清盛は源氏に滅ばされ滅亡している。

 平家物語に照らして見ると「驕る習近平は久しからず。只春の夜の夢の如し」と言えるであろう。

 それにしても外交に長けた安倍首相退任後も日米同盟を強固にしてアジア近隣諸国及びオーストラリアASEAN等とも連携強化して中国の進出に対抗することが切に求められていると思う次第である。(写真は、平家物語の冒頭より。提供:日本経営管理教育協会)