数年前、中国を旅行で訪れた外国人が中国高速鉄道に乗車した際、走行中の車両内でコインを立てることができるかどうかを試す実験を行った。この実験を撮影した動画には、時速300キロメートルで走行中の車内でもコインは約8分間倒れずに立ったままだった様子が映し出されている。

 当時、この動画は中国で大きな話題になったが、中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、「日本の新幹線ではコインが立たないのに、なぜ中国高速鉄道では立ち続けるのか」というタイトルのスレッドが立てられ、多くの中国人ネットユーザーが議論を交わしている。

 寄せられたコメントのなかで最も多くの賛同を得たのは、「こうした比較は不公平である」という意見だ。中国高速鉄道は新幹線より44年も後に運営が始まった「後発中の後発」であるため、使用されている線路設計技術に大きな差があるのは当然であり、こうした比較には何の意味もないという見方だ。

 また、別の中国人ネットユーザーは、「新幹線ではなく、リニア中央新幹線が開通すれば、東京から名古屋までずっとコインを立たせ続けられるだろう」と主張したほか、また、中国高速鉄道でもコインが立たない路線もあると説明。こうした比較には本質的な意味はまったくないと論じた。

 さらに曲線半径の違いに言及する中国人ネットユーザーもおり、走行中に数分間コインが立つことで話題になった動画の路線は最少曲線半径が7000メートルという比較的緩やかなカーブしかない路線であったのに対して、東海道新幹線は最少曲線半径は2500メートルというきついカーブがある路線だと紹介。曲線半径の違いもコインが立つ立たないに大きく影響するとし、「真っ直ぐな線路を造るのは誰でも簡単にできる」とも指摘した。

 このスレッドでは、複数の中国人ネットユーザーが「走行中にコインが立つかどうかを高速鉄道の品質基準とすべきではない」という見方を示し、スレッドのタイトルで掲げられた質問に対して、盲目的な愛国主義の影響を受けずに客観的な見方を反映した回答が多くの中国人ネットユーザーたちの賛同を集めていたのは非常に興味深い点だと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)