中国では街を歩けば「愛国」に関する標語が掲げられた横断幕を至る所で見かけることができる。また、学校でも愛国教育が積極的に行なわれているほか、テレビをつければ抗日ドラマも毎日のように放送されている。

 中国ではあらゆるところに「愛国教育」が存在すると言えるが、日本では愛国に関する標語を見かけることはなく、中国のような愛国教育もまったく行なわれていない。中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、「日本では愛国心を題材にしたアニメを見かけないのはなぜか」と疑問を投げかけるスレッドが立ち上げられ、多くの中国人ネットユーザーたちが日本で愛国教育が行なわれない理由を考察している。

 終戦や建国に関するイベントが続く8月から10月は、中国では愛国に関する関心が高まる時期と言えるだろう。中国人にとって「愛国教育」は極めて身近なものであり、愛国心があることを表明する機会も多い。それだけに、日本でほとんどと言って良いほど愛国教育が行われていないことは、多くの中国人にとって疑問に感じられることのようだ。

 これについて、ある中国人ネットユーザーは、「日本のアニメ作品にも愛国を題材にしたものがないのは事実」だとし、「日本では『愛国』という言葉は使われず、『国のために』という言葉も使われない」と紹介、さらには「政治的な考えを誰かに押し付けることもなく、国歌斉唱も強制されないのが日本らしい」と紹介した。

 また、別のユーザーは「日本で愛国教育が行われていないのは歴史的背景が関係している」と主張し、日本では「愛国がかつての軍国主義を連想させる」ため、愛国心を強調したアニメ作品がないのだと論じた。

 一方、「日本では直接的に愛国心を表現することはないが、自分の置かれた環境を愛する教育がなされていて、間接的に愛国心が育っている」と主張するユーザーの意見も見られた。確かに、日本の学校では社会科見学などを通じて、自分の生活環境を大切にする教育が行なわれている。

 中国ではテレビで愛国をテーマにした専門チャンネルがあったり、アニメにも愛国主義を取り入れた作品が多く見られるだけに、愛国教育が行われていない日本社会は中国人からすると「どこか違和感」があるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)