数年前、中国人旅行客の「爆買い」が大きな関心を集めたが、当時の中国人たちは「日本は好感の抱けない国だが、質の高い日本製品は日本でしか買えない」という理由から、買い物目的で日本を訪れていたという。

 しかし、実際に日本を訪れると「日本はどこも清潔で、秩序があって心地良く、もっと滞在していたい」と感じ、帰国の際には日本に対する感情が一変していたという中国人は少なくない。中国メディアの百家号は29日、このような劇的な変化が生じるきっかけは「日本の観光資源ではなく、日本のトイレだった」と論じる記事を掲載した。

 近年は日本の歴史や文化、桜や紅葉、温泉などの観光資源に魅力を感じ、なんども日本を訪れるリピーター旅行客も増えていたが、記事は「かつて爆買いに走った中国人の心を、日本文化に対する感心へと変化させたものは、他ならぬ日本のトイレ文化だった」と主張した。
 
 記事の中国人筆者もツアー旅行で日本を訪れる前は、「日本に対して偏見を持っていた」というが、「日本のトイレが自分に与えた衝撃は非常に大きかった」と主張し、トイレの清潔さだけでなく、「利用者の視点に立った設計」には特に感銘を受けたと振り返った。

 たとえば、男性、女性、子ども、障がいを持つ人はそれぞれトイレに求める機能や設計に差異があるものだが、記事は「女性トイレは広々としていて、赤ちゃんを連れた母親でも安心して利用できるように乳幼児向けの椅子があったり、おむつ交換台があったり、明確な配慮が見られた」と紹介。また、またホテルから大型商業施設に至るまでどこのトイレにも手抜かりがなく、空港のトイレは「大きな鏡が設置してあって、服を交換する場所もあった」と伝え、旅行客のニーズを汲み取った設計になっていたことを紹介、「日本のトイレは日本人の国民性をはっきりと物語る場所だった」と伝え、こうしたトイレに感銘を受けると日本に対する感情にも変化が生じるものだと論じた。

 中国では公衆トイレは「汚くて当たり前」で「汚くても仕方がない」とされているだけに、「日本の公衆トイレが中国人の日本に対する偏見を一変させる力を持っている」というのは確かに言い過ぎではないのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)