中国高速鉄道の総延長距離はすでに圧倒的に「世界一」の規模にあるが、高速鉄道網の拡大は今なお続いている。しかし、数ある高速鉄道路線のうち、黒字が確保できているのは北京と上海を結ぶ「京滬(けいこ)高速鉄道」などごくわずかだと言われている。

 多くは赤字路線となっている中国高速鉄道だが、なぜ中国は赤字を垂れ流す高速鉄道路線を今なお積極的に建設しているのだろうか。中国メディアの百家号は28日、「中国高速鉄道は毎年のように赤字であるというのに、なぜ中国は高速鉄道の建設をやめないのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、中国はヒトやモノが速く移動できるインフラを重視しているとし、それゆえ中国政府は高速鉄道のみならず、高速道路や空港の整備も重視していると指摘。そして高速鉄道は中国の発展にとっても非常に有益であるとし、その総延長距離はすでに2万9000キロメートルを超え、中国人の移動はこれまでに比べて非常に便利になったと論じた。

 一方、中国人に利便性を提供する背後で、中国高速鉄道の多くの路線は赤字を垂れ流していると指摘し、高速鉄道の運営を担う「中国鉄路総公司」の負債総額は5兆元(約80兆円)をゆうに超えていると紹介。これだけ莫大な負債を抱えながら、今なお高速鉄道の建設が行われているのは「多くの都市が高速鉄道で結ばれることによって経済効果が生まれるからだ」と主張し、その経済効果のために莫大な負債を抱えながらも今なお建設が行われているのだと論じた。

 2008年の世界金融危機の際、中国が打ち出したインフラ整備を含めた莫大な規模の刺激策は世界経済にとってもプラスの影響があったが、現在では中国のインフラ投資はリスクの火種なのではないかという見方も浮上している。特に中国鉄路総公司が抱える負債は大きすぎて、あまりにも危険という指摘があるのも事実だ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)