希土類(レアアース)は「産業のビタミン」とも呼ばれ、あらゆるハイテク製品にとって欠かせない存在だが、中国はレアアース生産大国であり、日本や米国や中国から大量のレアアースを調達している。米中関係の緊張が続くなか、中国メディアの百家号はこのほど、日本と米国が「レアアース産業における中国の影響力を削ぎ落とそうとしている」と主張する記事を掲載した。

 レアアースとは31種あるレアメタルのうちの「17種」の元素に対する総称で、スマートフォンから電気自動車、さらには各種兵器に至るまで、レアアースはハイテク製品に必要不可欠な物質だ。記事は「中国はレアアース生産量で世界の80%以上のシェアを握っている」と指摘し、中国は名実ともに世界のレアアース大国であることを強調した。

 続けて、中国は1970年代中頃からレアアースの採掘、分離、製錬などに関する技術開発を開始し、80年代にはレアアースの主要な輸出国の仲間入りを果たしたと強調。そして2010年には生産量で世界の90%以上のシェアを獲得したものの、現在のシェアは80%ほどまで低下していると論じた。

 一方、レアアースは中国にしか存在しない資源ではなく、米国にもレアアース鉱山は存在すると紹介しつつも、レアアースの生産には環境破壊がつきものであり、米国では環境保護や採算性悪化のためにレアアースの生産が停止していたことを紹介した。だが、米国は2016年ごろにはすでにレアアースの中国依存に警戒感を抱いていたと紹介し、米商務部は16年にまとめた報告書で「米国はかつてレアアースを自給自足できていたものの、現在はほぼすべてを中国からの輸入に依存している」、「中国がレアアースの価格決定権を握っている現状に米国政府内では懸念を示す声が存在する」と警鐘を鳴らしていたことを伝えた。

 さらに記事は、米国は19年11月に、オーストラリアとレアアース生産で協力することで一致していることを紹介したほか、カナダとも同様の動きを見せていると紹介。さらに長年生産を停止していた米カリフォルニア州マウンテンパスのレアアース鉱山が19年に生産を再開したこと、日本も近海でのレアアース探査を継続して行っており、すでに莫大な規模のレアアースを確認していると伝え、こうした動きは日本や米国がレアアースの対中依存からの脱却を目指すと同時に、レアアース産業における中国の影響力を削ぎ落とそうとしている動きであると警戒感を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)