日本経営管理教育協会が見る中国 第633回 ――宮本邦夫

 生活雑貨専門店の株式会社ロフトが、先月24日いまだコロナウイルス禍が収まらない逆風下で上海に進出して話題になっている。ロフトは、創業以来いわゆる生活雑貨だけではなく、美容・健康雑貨、文具雑貨など幅広い、ユニークな雑貨を提供して成長してきた会社である。今回の上海出店が初めての海外進出であるという。ぜひ成功して世界に羽ばたいてほしいと願っている。

◇充実した商品構成

 ロフトが出店したのは、上海市内の5大商圏の1つである徐家匯(スージャーホイ)地区の人気商業施設・メトロシティ(美羅城)の2階で、営業面積は938㎡で国内店舗の標準タイプとほぼ同じあるという。出店に当たってのキーワードが、「何かある。きっとある」というだけに、商品構成は、以下に詳細を示すように極めて充実している。すなわち、美容・健康雑貨(約3,200種類)、文具雑貨(約5,700種類)、バラエティ雑貨(約2,100種類)、生活雑貨(約1,400種類)、期間限定のロフトマーケット(約400種類)でトータルの商品数は約12,800種類となっている。

◇様々の工夫を凝らした開店の演出

 ロフトは、上海店のオープンに際して、様々の工夫を施している。そのいくつかを紹介すると、チーズティ専門店である「喜茶HEYTEA」とのコラボレーションである。具体的には、店内に『芒芒便利店(マンゴーコンビニ店)』を設けて、買い物の序でに中国で人気のあるマンゴーチーズティを来店者に飲んでもらうという工夫をした。また、長崎県の波佐見焼を中心とした様々の陶器を揃えた「はさみ焼きマルシェ」を登場させた。さらには「名探偵コナン」「仮面ライダーゼロワン」など5つのコンテンツを採用した新しいグッズを世界に先行して販売した。

◇現地のクリエイターとの連携

 ロフトの上海進出で注目されることが他にもある。それは、雑貨を通して新しい表現を追求し続けている中国のクリエイターを発掘することを目的とした「LOFT APARTMENT」という常設コーナーを設置したことである。そのキックオフとして「ロフトと共に雑貨の魅力を発信する」という趣旨に賛同した上海近郊のクリエイター18名の協力が得られたとのことである。今後、中国国内で数店舗を開設する計画があり、こうしたクリエイターによる文房具や携帯ケース、アクセサリーやバッグなど、作家のオリジナリティを活かした雑貨の開発は、進出成功の重要な条件になりそうである。(写真は、東京の渋谷ロフト店。提供:日本経営管理教育協会)